バスに防犯カメラがある理由

バスに防犯カメラがある理由

公共の乗り物であるバスは、移動手段として重宝されています。しかし多くの人が利用する乗り物だからこそ、リスクマネジメントに力を入れるべきです。人が集まる場所は犯罪の発生確率が高まります。人同士の衝突が大半の犯罪の原因になるからです。多くの人が安全に利用可能な乗り物を実現するには、相応の準備が必要になります。

バスで発生しがちな犯罪

人が集まる場所は犯罪が発生し易くなるのは前述した通りです。

しかし犯罪を引き起こす者は、無計画に活動する場所を選んでいるわけではありません。犯罪にはリスクがあるため、十分なリターンが見込める場所を狙って犯罪者は動きます。つまり特定の犯罪行為を実行しようとしている人は、大きな見返りが望めない場所で行動を起こす事はあり得ないのです。バスの中で最も行われ易い犯罪は置き引きや落し物の盗難になります。人の出入りが激しいバスでは、盗難に属する犯罪が行われると対処が難しいからです。

そして乗客の中には貴重品を持ち歩く人が数多く存在しています。リスクが小さくリターンが大きいため、物品の盗難を狙う犯罪者の温床になり易いのは道理です。バス会社のスタッフが乗客の動きに目を光らせる事も限界があります。スタッフの数を増やす対処策は、経費の肥大化や限られたスペースを無駄に消費するという問題が浮上するからです。

何よりスタッフが常駐しているバスは、乗客がストレスを感じる事になります。常に見張られている気持ちを乗客が抱けば、顧客離れを起こすリスクも存在するのです。

防犯カメラを抑止力にする

以上の様に盗難系の犯罪を抑止するためには、スタッフの常駐を行うべきではありません。バスの防犯対策を実践したい場合には、人よりも防犯カメラの導入を果たすのが効果的だと言えます。多少の導入コストが必要になるものの、防犯カメラは維持費を抑えられるからです。

最近の防犯カメラはインターネットを媒介にして、外部へ映像を伝達する事が出来ます。過去の時代の防犯カメラとは違って、ディスプレイとダイレクト接続する必要がありません。つまりバス会社の拠点にスタッフが常駐していれば、複数のバス内の様子を見守る状況を作り出せます。何より防犯カメラは一般人に知られているツールであるため、存在しているだけで犯罪の抑制効果があります。

顧客に向けられる防犯カメラは目立たない場所に設置するのが常套手段であるため、抑止力として機能しないと考える人がいます。ですが悪意を持つ者に対しては効果が絶大なのは間違いありません。防犯カメラを見え難い場所に設置していても、犯罪を意識している者は存在を気にかけます。防犯カメラを完全に隠す事は不可能なので、注意して探せば必ず発見されます。しかし防犯カメラの存在が明らかになっても問題ありません。

犯罪者の行動を諌める効果が十分にあるからです。

クレーム対策にも防犯・監視カメラは役立つ

バス内に設置する防犯カメラは、防犯対策としての活躍を期待されています。しかし実はクレーム対策としても防犯カメラは役立つのです。最近ではクレーマーの存在が世界中の会社を脅かしています。会社側のサービスに不備がなくても、問題点を無理やり見つけ出して訴えてくるのがクレーマーのやり口です。

悪質なクレーマーの中には問題点が存在していないにも関わらず、会社に怒りをぶつける事があります。対応に追われる会社はクレーム対策の専門スタッフを配置しなければなりません。クレーム対応を間違えると社会的な評価が落ち込んでしまう事態もあり得ます。バス会社に対してクレームが行われる時は、サービスが供給される場所であるバス内が舞台になります。バス会社側はサービスの供給中に不備がなかった事を、証明しなければなりません。その時に監視カメラが役立つ可能性があるのです。

バス内に設置されている監視カメラは専用システムと接続されており、ハードディスクに録画データが保存されます。バス会社側に落ち度がない事を示せれば、クレーマーに付け入られることはありません。以上の様に防犯対策以上の可能性を防犯カメラは備えています。

監視カメラは工夫した使い方を実現出来れば、無限大の可能性があります。しかし通常とは異なる運用方法を実践しようとすると、慣れない複雑な操作を強いられる事があるのも事実です。トラブルの発生確率が低ければ、防犯カメラの操作に苦戦して対応の遅延に繋がります。

それを防ぐには運用方法のマニュアルを準備しておくのが効果的です。

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