防犯カメラの画角(撮影範囲)について知りたい!適切な画角(撮影範囲・視野角)について

画角・視野角と距離について

防犯カメラの撮影範囲(画角)はどのくらい?
どんな防犯カメラを選べばいいの?

防犯カメラには屋外用、屋内用、ドーム型、バレット型など様々な種類があります。
また、機能面でもフルハイビジョン(200万画素)・4K(800万画素)などの画質の違いがあったり、赤外線の有無、レンズを動かせる機能が搭載されていたりなど多岐にわたります。

今回は、その中でも画角(カメラが撮影できる範囲)」についてご紹介したいと思います。

画角・視野角って?

画角や視野角は、防犯カメラが映せる範囲を角度で示した数値のことを指します。
この数字が大きいほど、広い範囲の撮影が可能になります。

さらに、画角には「水平の画角」と「垂直の画角」があり、広角レンズの場合は画角が広く望遠レンズの場合は画角が狭い代わりに遠くの撮影ができます。

最近は魚眼レンズ・全方位レンズという360度を魚眼のようにゆがんだ状態で撮影して後で補正するタイプの画角もあります。

下記の図のように、同じ場所を撮影しても画角によって撮影の範囲は大きく変わります。

画角の違いイメージ

広角レンズ(2.8~12mm)

広角レンズ

mm(ミリ数)が小さいほど広い範囲を撮影できますが、対象物は小さくなります。

設置場所例:店舗内や屋外駐車場などの監視

望遠レンズ(50mm)

望遠レンズ

mm(ミリ数)が大きくなるほど対象物を大きく撮影できますが、映る範囲は狭くなります。

設置場所例:レジ周辺や屋内駐車場ゲートなどの監視

「画角」 と 「画質」 の関係

実際に防犯カメラで撮影する際に、画角だけで撮影できる距離が決まるわけではありません。
もう一つ重要なのが画質(カメラの映像がどれくらい綺麗か)」です。

現代では、フルハイビジョン(200万画素)画質の防犯カメラが主流ですが、さらに画質の高い4K画質(800万画素)の防犯カメラも販売されています。
それぞれの画質によって鮮明に撮影できる距離が異なるので、設置したい場所防犯カメラ設置の目的を考慮して、画質と画角を選ぶことが大切です。

また、日本防犯設備協会から「目的別にどれくらいの画角を確保すればいいか」の推奨例が公表されています。
ぜひ画角選びの際に参考にしてみてください。

目的 人相の認識に必要な画角(撮影範囲) 人物の特定(身長、体系の判別)に必要な画角(撮影範囲) 行動把握に必要な画角(撮影範囲) 全体が把握できる
メガピクセル
防犯カメラ
(200万画素)

画面全体に人物の全身が映る大きさ

望遠イメージ

画面の約1/2の高さに人物の全身が映る

準望遠イメージ

画面の約1/4の高さに人物の全身が映る

広角イメージ
広角で
全体把握ができる
4K防犯カメラ
(800万画素)

画面の約1/2の高さに人物の全身が映る

準望遠イメージ

画面の約1/4の高さに人物の全身が映る

広角イメージ
広角で
行動把握ができる
広角で
全体把握ができる
カメラ画質 人相の認識 人物の特定
身長などの判別
行動把握 全体把握
メガピクセル
防犯カメラ
(200万画素)

画面全体に人物の全身が映る大きさ

望遠イメージ

画面の約1/2の高さに人物の全身が映る

準望遠イメージ

画面の約1/4の高さに人物の全身が映る

広角イメージ
広角で
全体把握ができる
4K防犯カメラ
(800万画素)

画面の約1/2の高さに人物の全身が映る

準望遠イメージ

画面の約1/4の高さに人物の全身が映る

広角イメージ
広角で
行動把握ができる
広角で
全体把握ができる

出典 - 日本防犯設備協会

さまざまなシチュエーションでの画角事例

車両の確認やレジでのお札の確認など、アルコムのお客様からよくお問い合せをいただくシチュエーション別に、
おすすめの画角をご紹介いたします。
※おすすめの画角は一例です。
設置する場所や使用するモニターなどにより異なりますので、ご購入前に一度ご相談ください。

車のナンバーや
ドライバーの特定なら…

「望遠」 がおすすめ!

駐車場に出入りする車のナンバー、ドライバーの人相、料金支払い状況などを確認するなら望遠カメラがおすすめです。
犯人、車両特定の重要な参考資料になります。

車のナンバー特定

車両の特定なら…

「広角」 がおすすめ!

駐車場に出入りする車を確認するなら広角カメラがおすすめです。
車種や車の色は、事件や事故が起きたときの重要な参考資料になります。

車両の特定

車の動きの把握なら…

「広角」 がおすすめ!

駐車場内の車と人の動きを確認するなら広角カメラがおすすめです。
車上狙い(車上荒らし)などの防犯や、駐車場強の確認を目的とします。

車の動きの把握

お札の種別の特定なら…

「準望遠~望遠」 がおすすめ!

レジなどでお札の種別を特定したいときは望遠カメラがおすすめです。
お札の種別を判別することによって、トラブル発生時の重要な参考資料となります。

お札の種別の特定

人相の確認なら…

「準望遠~望遠」 がおすすめ!

不審者や犯人の人相を詳しく認識したいときは望遠カメラがおすすめです。
ATMなどで人相が分かる望遠カメラで撮影します。

人相の確認

不審者の特定なら…

「広角」 がおすすめ!

店内で怪しい挙動をしている人物を特定するなら広角カメラがおすすめです。
店内は人物特定のできる広角カメラで撮影します。

不審者の特定

撮影範囲は自分で計算できるって知ってましたか?

撮影範囲は「カメラの画角」と「撮影したい対象までの距離」で計算が出来ます。

実際に行う場合まずは画角と距離を把握しておいてください。

画角の確認方法

防犯カメラの画角は水平(横)と垂直(縦)の2種類が記載されている事が多いです。

アルコム製品の場合は、各防犯カメラやレンズの商品詳細ページに記載していたり、仕様図としてpdfを公開したりしています。

撮影したい対象までの距離を計測

防犯カメラの設置位置から撮影したい場所までの距離をメジャーなどで計測してください。

基本的に防犯カメラは天井や壁の上の方に設置することが多いため、おおまかな人や車の撮影をしたいのか、細かく手元やナンバーの撮影をしたいのかで大きく撮影までの距離が変わる事があります。

撮影可能範囲の計算は三角関数で!

撮影範囲は三角関数を使って計算ができます。

例えば、水平画角120°、垂直画角50°のカメラで6m先を撮影したい場合

角度θ = 水平画角120°÷ 2 = 60°
撮影対象までの距離ac = 6m
公式tanθ=bc/acに当てはめて計算ができます。

メーカーが画角計算などのツールを公開

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