DORIとは?IPカメラ・ネットワークカメラの最新指標について紹介

DORIとは

DORIとは、監視システムにおけるIPカメラの性能を評価するための指標です。DORIは4つのキーワード(後述)の頭文字を取ったもので、カメラの解像度・レンズの焦点距離・被写体の距離などを考慮して評価されるので、IPカメラを使って顔認識・顔認証やAIと組み合わせたシステムに合わせた参考値として利用されることがあります。このページではIPカメラ・ネットワークカメラの画質評価基準のひとつであるDORIについて詳しくご紹介します。

目次
  1. DORIって何?
    1. Detection(検出)
    2. Observation(観察)
    3. Recognition(認識)
    4. Identification(識別)
  2. ピクセル・パー・メーター(PPM)
  3. DORIについて分かると何が便利?
  4. DORIの限界とその対策
    1. DORIがすべてをカバーできるわけではない
    2. DORIに補完する機能
    3. IPカメラの製品仕様を確認しよう
  5. よくあるご質問
  6. 情報・関連ページ一覧

DORIって何?

DORI(ディーオーアールアイ)は画像の解像度、レンズの焦点距離、被写体の距離などの要素を考慮し、カメラの機能性を評価するために開発された指標です。ネットワークカメラやIPカメラの仕様には、このDORIの表記がされるようになりました。表記の例は「D:44m, O:17m, R:9m, I:4m」などと記載されます。
実際にアルコムで取り扱っているIPカメラでも、商品ページや承認図にはDORIの値を記載しております。

DORIを記載している製品承認図の一例

DORIを記載している製品承認図の一例はこちら ≫

DORIの構成要素と評価基準について

DORIは4つの要素で構成されます。

【D】検出:Detection 人または車両が存在するかが判断できるレベル。
対象物(人物や車両)が存在するかどうかを検出する能力が評価されます。IPカメラは、どれだけ小さな対象物を検出できるかが重要です。
【O】観察:Observation 衣服などの個人の特徴的な詳細を確認できるレベル。
対象物(人物や車両)の詳細な特徴を捉える能力が評価されます。例えば、衣服などの個人の特徴的な詳細を確認できるかが重要です。
【R】認識:Recognition 映像に映った人が、以前映った人と同じかどうかを判別できるレベル。
カメラが顔やナンバープレートなどの特定の要素を認識できるかどうかが評価されます。過去の映像と比較し、同じ対象物であるかどうかをほぼ確実に決定できるかどうかが重要です。
【R】認識:Recognition 個人の識別・特定まで可能なレベル。
カメラが対象物を正確に識別できるかどうかが評価されます。例えば、顔の識別や細かな文字の読み取りができるかどうかが重要です。

ピクセル・パー・メーター(PPM)

PPMは映像上で1メートルの距離を何ピクセルで表現しているかを示す数値の単位で、このPPMという単位を使用してDORIの評価ができます。

PPMの数値は、IEC EN62676-4:2015という国際標準で、D:検出(25PPM)、O:観察(62PPM)、R:認識(125PPM)、I:識別(250PPM)と定義されています。

※国際規格IEC 62676-4(セキュリティアプリケーションでの使⽤向け映像監視システム - Part 4: アプリケーションガイドライン)に準拠

詳しくはこちらのサイト「DORI (Detection, Observation, Recognition, Identification) How To Measure How Far a Surveillance Camera Can See?」もご参照ください。

DORIについて分かると何が便利?

DORIが読み解けるようになると、カメラの性能に基づいて撮影したい人や物がどれだけ見えるかを把握できます。その情報をもとに、ニーズに合った防犯カメラを選びやすくなります。
製品選びがよりニーズに合わせやすい IPカメラの機能を総合的に評価できるため、顧客のニーズや環境に最適な製品を選ぶのに役立ちます。IPカメラが設置される場所や遠距離の監視など、具体的な要件に合わせたカメラを選ぶことができます。
製品比較がしやすい DORIは、IPカメラの性能を比較するための評価基準として利用できます。購入者やシステム設計者は、それぞれの製品のDORIスコアを比較することで、最適なIPカメラを選択できます。
システムパフォーマンスの向上 DORIスコアを利用して、適切なカメラを選択することで、映像のクオリティが向上し、詳細な情報が得られるため、監視やセキュリティシステムの効果が高まります。また、解像度や距離の適切な設定・設置により、遠くの対象物や細かい動きも正確に捉えることができます。

もし詳しい数字が分からなくても、アルコムにまずはお問い合わせください。お悩みをヒアリングして、お客様に合ったネットワークカメラを選定させていただきます。

DORIの限界とその対策

DORIがすべてをカバーできるわけではない

DORIはネットワークカメラを選定する際の重要な指標ですが、すべての環境や条件に適応するわけではありません。例えば、周囲の照明状況や天候の影響で、DORIが十分に機能しない場合もあります。そのため、カメラ選定の際にはこれらの外部要因も考慮する必要があります。

DORIに補完する機能

DORI基準を補完する機能として、ナイトビジョンやAIベースの顔認識技術が挙げられます。これらの技術を活用することで、DORIの限界を補い、より効果的な監視システムを構築できます。

IPカメラの製品仕様を確認しよう

アルコムで取り扱っておりますRD-CIシリーズのIPカメラ・ネットワークカメラは、基本的にDORIを仕様に記載しております。カメラを選ぶ際にDORIの値を参考にしてみてください。

その他のネットワークカメラ一覧はこちら ≫

よくあるご質問

ネットワークカメラを選ぶ際に、DORIのどのレベルが必要ですか?

用途や設置場所によって異なります。例えば、広い駐車場では「検知(Detection)」レベルで十分ですが、オフィスの入口や店舗の監視には「識別(Recognition)」や「特定(Identification)」が重要です。監視したい対象や目的に応じて、必要なDORIレベルを決めることが大切です。


DORIが高いカメラを選べば、全ての監視目的をカバーできますか?

必ずしもDORIの高いカメラが万能とは限りません。高解像度や視野角など他の要素も考慮する必要があります。また、設置場所の環境(光の量や距離など)によっても、カメラの性能が異なるため、DORIだけでなく、設置条件に合ったカメラを選ぶことが重要です。


ネットワークカメラの解像度は高いほど良いですか?

高解像度のカメラは、詳細な情報を取得するのに役立ちますが、すべての状況で必要とは限りません。解像度が高いと、ストレージの容量やコストが増える場合もあります。必要なDORIレベルに応じた解像度を選ぶことで、無駄を減らすことができます。


DORI以外に考慮すべきカメラの機能はありますか?

DORI以外にも、ナイトビジョンやAIによる顔認識、広角レンズ、パン・チルト・ズーム機能などの追加機能が役立つことがあります。特に暗い場所や遠距離の監視には、DORI基準を補完するこれらの機能が重要です。


DORI基準を使わないとカメラ選びは難しいですか?

DORI基準を活用することで、目的に応じたカメラ選びがよりスムーズになりますが、必須ではありません。用途に合ったカメラを選ぶことが大切で、DORIはその一つの参考指標です。他にも解像度や設置環境に基づいて選定することも可能です。


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