地方自治体における助成金制度を利用した防犯対策

地方自治体における助成金制度を利用した防犯対策

現在、防犯カメラ導入の目的は多様化しております。代表的なシーンとしてまず思い浮かぶのは地域防犯ではないでしょうか。商店街や通学路などに設置されたカメラを目にする機会は多いと思います。防犯カメラがあるだけでも犯罪抑止になるためシャッター化している商店街でも安全性をアピールするために監視カメラの導入を図る例もあります。多くの自治体・自治会が犯罪防止のため防犯への補助金制度を設けていることも普及に拍車をかけています。

目次
  1. 防犯カメラに対する意識
  2. 防犯カメラでひったくりを防ぐ
    1. ひったくりの現状
    2. 地域の防犯カメラが役に立った例
    3. 今後について
  3. 治安改善を図る
    1. カメラの設置や補助金を利用した例
    2. 兵庫県伊丹市
    3. 助成金制度を利用した防犯カメラ設置促進
  4. 防犯カメラ設置に助成金を活用しよう
  5. まとめ

防犯カメラに対する意識

近年は防犯カメラに対する日本人の意識もだいぶ変わってきました。以前は防犯カメラに潜む「監視」という言葉に多くの人が拒否反応を示していましたが、直接のプライバシー干渉さえなければその存在を許容する人が増えています。テレビでは毎日のように事件報道で防犯カメラの記録映像が映し出され、交差点で立ち止まった時にも見上げればそこに防犯カメラがあります。YouTubeには個人が発信するさまざまな映像があふれています。車載カメラとドライブレコーダーも自動車購入時のオプションとして人気を呼んでいます。映像記録はもはや特別なものではなくなっております。

また自治体・自治会や企業が、目的意識を持って継続的に撮影する映像は、市民や消費者の安全を守るための利用をうたっています。正しい目的で使用されれば、防犯監視や食の安全を守るために効果を発揮します。街角や建築物内にあふれる防犯カメラは、社会インフラとして認識され始めていると実感します。

防犯カメラでひったくりを防ぐ

「まさか自分が被害に遭うなんて…」とあなたは思っていませんか?ひったくりは、誰もが被害にあう可能性がある犯罪です。買い物帰りや仕事帰りの女性を狙った「ひったくり」が依然として発生しています。

ひったくりの現状

狙われやすい時間帯は22時台をピークに19時から23時までの間に多発しています。しかし、昼夜を問わず発生していることから、外出時は常に注意が必要です。犯行の手段・被害者の状況として、犯人の犯行手段はバイクや自転車を利用することが多く、被害者の態様は徒歩の時が多く狙われています。被害者の約9割が女性です。女性は財布などの貴重品をバッグに入れていることが被害に遭う要因の一つと考えられます。

また徒歩で被害に遭った方の約7割が被害に遭いやすい車道側にバッグ等を持っており、自転車に乗っている時に被害に遭った方のほとんどは、自転車の前カゴからバッグ等をひったくられています。

ひったくりに対して地域の防犯カメラが役に立った例

以前、大阪府箕面市でミニバイクを使ってひったくりをしたとして、大阪府警箕面署は6月8日、窃盗容疑で吹田市の無職の男(22)を逮捕したと発表がありました。

箕面市によると、市は全小学校の通学路に計750台の防犯カメラを設置。同署によると、このうち複数台のカメラに、ミニバイクの形状や容疑者の服装、被害品などが鮮明に写り込んでおり、逮捕につながったという。市が設置したカメラによって、容疑者逮捕につながったのは今回が初めてのケースとなりました。

逮捕容疑は5月23日午後2時55分ごろ、同市箕面の市道で、自転車を押しながら歩いていた医療事務の女性(40)をミニバイクで追い抜きざまに、前かごから、現金約8千円が入ったバッグをひったくったとしている。箕面市は、岡山県倉敷市で昨年7月に小学5年の女児が男に連れ去られた事件などをきっかけに、防犯カメラによる通学路の安全確保の取り組みを開始。今年2~3月にかけ順次設置し、750台もの防犯カメラを整備した。

今回の逮捕について市の担当者は「カメラの効果が証明された」と自信をみせました。市によると、防犯カメラは市立小全14校の通学路に配備されており、1校あたりの平均設置台数は約50台だ。学校あたりの設置率は全国的に見てもトップクラスという。

カメラは、死角になりやすい細い路地などにも設置され、警察が街頭犯罪を捜査する際に活用されています。同市市民安全政策室では「今回の逮捕は、カメラの威力が発揮された、まさに好例」と位置づけ、「カメラの持つ犯罪の抑止力にも期待したい」としています。箕面市は防犯カメラを整備する一方、今年度から、防犯カメラを設置する自治会に費用の9割を補助する制度を創設。府内でも珍しく、すでに10以上の自治会が制度に関心を示しており、通学路以外でも設置数が増加する見込みです。

今後について

地域の防犯の強化例をご紹介いたしましたが、今後、安心・安全な地域づくりを進めていくためには防犯カメラの設置が必要不可欠です。また個人や法人での防犯カメラの設置には限界があります。

そこで自治体・自治会も安心・安全に対する地域貢献への取り組みとして、地域に防犯カメラの設置を促進していく必要があります。さらに市区町村の助成制度や助成金を利用することでより一層の設置を進めていくことが可能です。安心・安全な地域づくりの第一歩は防犯カメラを設置するところから始めてみませんか?

以前と異なり、監視社会という反対の目で見る方も減少し、防犯カメラ設置による安全への意識が高まっております。地域の安心・安全により犯罪の少ない地域は、地域の活性化にも繋がります。地域の住民は治安の良い場所に住みたいでしょうか?それとも悪い場所に住みたいでしょうか?どちらに住みたいかは明白です。

助成金を利用して治安改善を図る

今後、安心・安全な地域づくりを進めていくためには防犯カメラの設置が必要不可欠です。また個人や法人での防犯カメラの設置には限界があります。そこで自治体・自治会も安心・安全に対する地域貢献への取り組みとして、地域に防犯カメラの設置を促進していく必要があります。
さらに市区町村の助成制度や助成金を利用することでより一層の設置を進めていくことが可能です。安心・安全な地域づくりの第一歩は防犯カメラを設置するところから始めてみませんか?

防犯カメラの設置や補助金を利用した例を下記ご紹介します

防犯カメラは国分寺駅南口周辺4か所が2月から、国分寺駅北口側1か所と国立駅北口側5か所が3月から運用を開始します。 東京都および市の補助金が活用され、国分寺駅南口商店会・国分寺南町三丁目花沢台町会、本町四丁目町会、光町南部自治会・光商店会など、それぞれの地域の自治会や町会、商店会が設置者となっています。

運用に際しては、撮影映像の厳重管理とプライバシー保護に配慮した適切な運用を設置者が行っていくとのことです。

・兵庫県伊丹市で防犯カメラを新たに1000台設置

兵庫県伊丹市は街頭での犯罪を減らそうと、通学路や中心市街地などに新たに1000台の防犯カメラを設置することになりました。市によりますと、自治体が独自に設置する防犯カメラの数としては全国で最も多いということです。

街頭の防犯カメラについて、兵庫県内では希望する自治会などが、県や市の補助金を受けて整備してきましたが、伊丹市では整備が進まず、神戸市長田区で小学生の女児が殺害されるなど、街なかでの犯罪が後を絶たないことなどから、新たに1000台の防犯カメラを設置することを決めました。

防犯カメラは、来年度から数年間で3億円余りをかけて、通学路や中心市街地などに1つの小学校の校区につき、およそ50台設置します。

市によりますと、自治体が独自に設置する防犯カメラの数としては全国で最も多いということです。 市は、警察に意見を聞いて設置場所を決め、犯罪が起きた場合などには警察に映像を提供する方針ですが、保存期間や活用方法など詳細は、今後条例で定めることにしています。

伊丹市の藤原保幸市長は「地域の人たちによる見守りも必要だが負担が大きい。防犯カメラでバックアップすることでより安全な地域になり、犯罪が減る効果も期待したい」と話しています。

上記のように、都道府県、市区町村など自治体・自治会により補助金・助成金の内容は異なるが、現在、全国の様々な地域でこうした取り組みを行っています。

各地域で一貫しているのは、対象者が町会・自治会や商店街など、地域住民による団体という点。

あくまでも“自主防犯”に取り組む団体を支援することが目的なので、補助や助成を受けても、防犯カメラの維持・管理、撮影映像の運用に関しても申請した団体が行うため、責任を伴うことも忘れてはいけません。

防犯カメラを導入したいが、資金がない、運営や管理の仕方が分からないという場合は、まず行政や最寄りの警察署に問い合わせたり、働きかけることで、まだ助成金制度がないエリアでも導入されるきっかけになるかもしれません。

助成金制度を利用した防犯カメラ設置促進について

以前と異なり、監視社会という反対の目で見る方も減少し、防犯カメラ設置による安全への意識が高まっております。

地域の安心・安全により犯罪の少ない地域は、地域の活性化にも繋がります。

地域の住民は治安の良い場所に住みたいでしょうか?

それとも悪い場所に住みたいでしょうか?

どちらに住みたいかは明白です。

防犯カメラ設置に補助金を活用しよう

昨今、市町村や自治会レベルでの防犯カメラ(監視カメラ)設置・導入の動きが日本全国で目立ってきました。この背景には警察庁が2000年に制定し、2014年8月に改定した「安全・安心まちづくり推進要綱」が大きく関係しています。

警察庁が明記した防犯カメラの必要性

犯罪防止に配慮した環境設計活動を示す指針で、2014年の改定に伴い「安全・安心まちづくりの推進に係る資機材として防犯カメラを追加」「資機材の整備 防犯灯、防犯カメラ、防犯ベル等安全・安心まちづくりの推進に必要な資機材の整備について、必要な措置を講じるよう努めること」という一文が追加され、防犯カメラが防犯上欠かせないものであることを警察庁が明記した形となりました。

こういった動きもあり、防犯カメラを設置する際、自治体や法人向けに助成金・補助金の制度を利用できる場合があります。県や市が行っている制度となりますが、地域ごとに対象となる金額や手順が異なりますので注意してください。この制度を利用しない手は無いので、カメラ設置の前に一度調べてみることをオススメします。一部、各地域の助成金制度を説明したいと思います。

各都道府県の補助金にかんして

福岡県福岡市の補助金制度

犯罪の抑止効果や犯罪発生時の犯人の特定及び検挙に効果のある街頭防犯カメラの設置促進を図るため、「自治協議会、自治会・町内会等が設置する街頭防犯カメラ」の設置費用の一部を補助します。防犯カメラの設置にあたっては、プライバシーの保護に配慮した適正な設置、管理及び運用を行っていただく必要があります。

対象となる経費は「防犯カメラ、録画装置等の機器購入費用及び設置工事に係る経費」と 「防犯カメラの設置を示す表示板等の設置に係る経費」があります。カメラ本体、工事、設置に伴う看板などが対象となりますね。

費用の限度額も設定されており、「補助対象経費の75%以内(1台につき30万円を限度)」かつ「1団体につき10台を限度」となっています。 受付の期間や手順については福岡市ホームページにてご確認ください。

千葉県船橋市の補助金制度

町会・自治会等が行う自主防犯活動を補完するために設置する防犯カメラに対し、その設置費用を補助します。対象となるのは「町会・自治会・商店会等であって、自主防犯パトロール隊が組織されていて、地域における継続的な自主防犯活動の実績があり、かつ、今後の防犯活動が見込まれるなどの要件を満たす団体であること」とありますが、要はパトロール等を継続して行っている自治体が対象のようです。

対象となるのは「防犯カメラの購入費」「防犯カメラ設置表示板等の購入費」「防犯カメラの設置工事費」となっていますが、「撮影区域の2分の1以上の面積が公道(不特定多数の人が通行する私道を含む。)」という撮影区域についての制限があります。

費用の限度額は「補助の対象となる経費の合計額に2分の1を乗じて得た額」とありますので、合計の50%ですね。受付の期間や手順については船橋市ホームページにてご確認ください。

千葉県千葉市の貸与制度

千葉市では、「設置の為の費用補助」ではなく不法投棄の抑止及び証拠保全のため、ごみステーション管理団体を対象に監視カメラの貸与を実施しています。

対象となるのは「ごみステーションを管理する団体」であり、集合住宅の専用ステーションは対象外のようです。貸与期間は6ヶ月で、設置や撤去にかかる費用は市が負担します。

手順については千葉市ホームページにてご確認ください。

愛知県知立市の補助金制度

こちらは対象が「集合住宅の駐車場等」となっており、自動車やバイク、自転車を狙った犯罪を防ぐ事を目的に制度を設けているようです。具体的には「貸し駐車場」「商業施設の一般客用駐車場」「町内会が管理する駐車場」となります。

対象になるのは「機材費の2分の1」となり工事費用は含まれないようです。 補助額の上限もあり、「防犯カメラ1台5万円」「録画装置1台12万5千円」と、カメラとレコーダーで分けられています。

受付の期間や手順については知立市ホームページにてご確認ください。

大阪府東大阪市の補助制度

東大阪市で実施されている補助は、「防犯」というカテゴリーではなく「商店街や事業協同組合の復興や繁栄」を目的にしている制度のようです。よって、対象となる内容は防犯カメラや街路灯だけでなくアーケード設置補修やコミュニティ関連(商店街の休憩所など)、冷房施設など広く設定されています。

補助額の上限は「50万円未満」となっておりますが、設置する場所の土地権利に関する費用や維持費用も含まれるようです。受付の期間や手順については東大阪市ホームページにてご確認ください。

上記例に挙げたのはほんの一例です。

補助金が出たり、機器の貸与であったり、内容はさまざまですが、いろんな市町村でこういった補助制度が充実してきています。対象も自治体や商店街、管理会社などさまざまですので、カメラ設置の際は一度調べてみましょう。特に、応募期間が限定されていることが多いため、それに沿って動く必要があります。下調べをした上で、計画していくことが重要でしょう。

【まとめ】これからの家庭用防犯カメラのあり方

「割れ窓理論」で建物やビルの窓ガラスを割られたまま放置しておくと、外部からは、その建物ひいては地域全体が管理されていないと認識され、地域全体が荒れ、犯罪が多発していくという考え方があります。

今後、自治体・自治会が地域防犯を意識し強化していくことで、今後も防犯カメラの設置件数はまだまだ増加していきます。

大事なのは防犯カメラに映った犯人を捕まえることを目的にするのではなく、設置することにより犯罪をさせない為の抑止効果や設置件数が増えることによって個々人の防犯に対する意識が高まることが重要です。

何かあったときの証拠や犯人特定の為に用いられることも多い防犯カメラですが、その前に犯行を諦めさせる抑止力としても効果を発揮します。

自治体・自治会が主導して、地域に防犯カメラを普及させ、犯罪をおこさせない地域づくりが住みやすい地域づくりに繋がります。

私たちの住む地域の犯罪問題はさまざまで、防犯対策にも多くの選択肢があります。防犯カメラは、人手をかけずに地域の監視性を高めることができ、一度設置すれば機材が劣化するまでの数年間は電気代や通信コストのみで運用可能な防犯対策です。防犯カメラを適切に設置・運用した場合には効果が期待できます。

防犯カメラに限らず防犯対策を立案・実施する際には、まず、地域が抱える問題を抽出することが先決である。この問題の種類や深刻さによって、設置場所や設置台数が決まってくるのではないでしょうか。

犯罪に巻き込まれて「対処」するよりも「予防」が大切です。防犯カメラを設置して犯罪の抑止効果に期待してみませんか?

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