防犯カメラ用のレコーダー(録画機)の圧縮方式について
防犯カメラの映像をレコーダーに録画する際には特殊な圧縮をして記録が行われます。圧縮することで、保存先のHDDを有効的に使い沢山の映像を記録することが可能です。圧縮方法は様々で、次々に新しい映像圧縮方式がリリースされています。
圧縮方式の種類
防犯カメラ専用のレコーダーには、様々な圧縮形式(圧縮方式)があります。
- M-JPEG
- 動画の記録方式の一つで、各フレームごとの映像をJPEG圧縮したものを連続して記録している。前後のフレームとの差分情報を利用しないため、MPEGなどと比較して同一ビットレートでの圧縮効率は悪いが、任意の個所を簡単に編集することが可能。エンコード・デコード時の負荷が軽く、比較的簡単な設備でリアルタイムエンコードが可能なため、個人向けのビデオキャプチャカードなどが出力形式として採用している。
- JPEG2000
- JPEG2000は静止画像の圧縮・展開の方式を定めた規格で、従来のJPEGよりも高圧縮、高品質な画像圧縮が行なえるのが特徴。JPEG2000ではウェーブレット変換(ウェーブレット関数により画像全体を周波数帯域に分けた縦横それぞれの周波数成分を量子化・符号化して圧縮する方式)で変換する。
- JPEG
- 圧縮の際に、若干の画質劣化を許容する(一部のデータを切り捨てる)方式と、まったく劣化のない方式を選ぶことができ、許容する場合はどの程度劣化させるかを指定することができる。方式によりばらつきはあるが、圧縮率はおおむね1/10~1/100程度。
- MPEG4
- 携帯電話や電話回線などの通信速度の低い回線を通じた、低画質、高圧縮率の映像の配信を目的とした規格で、動画と音声合わせて64kbps程度のデータ転送速度で再生できることを目指している。
- H.264
- 携帯電話のテレビ電話といった低速・低画質の用途から、ハイビジョンテレビ放送などの大容量・高画質の動画まで幅広い用途に用いられる。従来広く用いられてきたMPEG-2に比べ、H.264を用いると同じクオリティなら概ね半分程度のデータ量で済むよう改良されている。
- Wavelet
- マザーウェーブレットと呼ばれる有限長(もしくは速やかに振動が減衰する)関数によって、信号を表現する手法である。マザーウェーブレットは、入力信号に適合するように拡大縮小(スケール)・平行移動(シフト)する。
- H.265
H.265は、ここ数年で登場した新規格。
HEVC(High Efficiency Video Coding)やH.265(エイチドットニーロクゴ)とよばれることが多く、H.265は圧縮技術の適正化が進められておりH.264と比べて約2倍の圧縮能力を備えている。
つまり、H.265はH.264の半分のデータサイズ・ビットレートで同等の画質を実現でき、携帯端末向けの動画フォーマットに利用が開始され始めている。
また、H.264に比べて4Kから4倍の8K(UHD 8192×4320)までの解像度に対応できるようになり、フレームレートも、60fpsから300fpsまでサポート可能になったのが特徴。
そもそも圧縮方式って?
映像というのは、パラパラ漫画のように1枚1枚の画像が集まってできた集合体が映像になります。
画像の枚数が多ければ多いほど綺麗に動く映像になりますが、それだけ画像枚数=容量も大きくなってしまいます。
データの容量が多く、レコーダーのシンプルな性能では扱えなくなってしまう・扱うのが難しくなってしまうため「圧縮」が必要になってきます。
動画の圧縮は「エンコード(encode)」と呼ばれ、データを一定のルール(圧縮アルゴリズム)に基づいて変換・圧縮することを指します。
このエンコードの種類=圧縮方式が、様々な種類がある理由になります。