プライバシーの存在を意識した上で防犯カメラを使用する

プライバシーのイメージ

犯罪の抑止力として役立つ防犯カメラは、現代においてあらゆる場所に設置されています。しかし防犯カメラを設置する場所に注意しないと、無用な諍いを生む恐れがあるのです。敷地外に向けられている防犯カメラは、プライバシーを侵害している事があります。

犯罪の対応に役立つ防犯カメラ

過去の時代における一般的な防犯対策は、警備員を配置するやり方でした。犯罪が発生した時に多大な被害を受けるポイントで警備員の目が常に光っていれば、リスクを顧みずに行動する犯罪者は少数だからです。しかし警備員を雇用するには相応のコストが必要になります。多数の重要なポイントを同時に守る必要があると、経費が肥大化してしまうという事です。だから防犯カメラシステムが導入されるようになりました。人間を雇うよりも専用システムを導入する方が経費削減に効果的だからです。

防犯カメラを通して映る映像は、ディスプレイに接続されているとリアルタイムの状況を確認出来ます。仮に映像の大切な部分を見落としてしまっても安心です。なぜなら防犯カメラを管理するシステムが運用されていれば、ハードディスクに録画データが保管されるようになっています。リアルタイムでは気づかず後に発覚した形の犯罪があった時、管理システムに残されている録画データが証拠になる事もあるのです。防犯カメラの前で人はうかつな行動を避けるというデータがあります。

犯罪の証拠になるだけでなく落ち着いた行動を促す効果もあるという事です。



プライバシーを侵害する可能性がある防犯カメラ

犯罪への対処において防犯カメラは、最も優秀なツールだと評価されています。防犯カメラのスペックは向上し続けており、最高画質にすれば夜間や悪天候の影響を受けずに鮮明な映像が残るからです。悪環境の中でも十分な性能を発揮する事は、利用者にとって重要な事だと言えます。しかし防犯カメラのスペックが向上している事が、仇になっているという主張を持つ人が存在するのも事実です。理由はプライバシーを侵害する恐れが防犯カメラにはあるからです。

例えば重要施設のエントランスに防犯カメラを設置する時、レンズが敷地外へ向けられている事があります。過去の時代における低スペックの防犯カメラは、遠くの場所を映しても鮮明な映像を残す事は出来ませんでした。しかし現代の高スペックな防犯カメラは、最高画質であれば被写体の顔もくっきりと映る事があります。重要施設のエントランスの前面に存在している施設の運営側に、その事を追求されてしまう事があるのです。対応を誤れば訴訟問題に発展する事もあります。利用者以外の事を意識しなければならない事は大変ですが、プライバシーの侵害に関して敏感な人がいる以上、無視する事は出来ないトラブルだと言えます。



設置する時には防犯カメラの視界に注意する

防犯カメラによるプライバシーの問題は、意識する人と意識しない人が存在します。意識する人の気持ちを汲む姿勢は大切ですが、全ての苦情を受け入れていたら防犯の体制を構築する事が出来ません。そのためプライバシーに配慮する形で運用するのが大切だと言えます。

前述した重要施設のエントランスの例を挙げれば、防犯カメラの視界を敷地内で収める工夫をすべきです。防犯カメラを導入した利用者の所有している敷地や建物の内部であれば、プライバシーの侵害が問題になる事はありません。防犯カメラに否定的な意見を持っている人が重要施設に入館しても、使用ルール上の問題なのでプライバシー侵害を訴える事は不可能です。以上の様に防犯カメラを利用する時は、システムの利用を敷地内で完結させる事が大切になります。その前提さえ守っていれば苦情トラブルに発展する事はあり得ません。

ただしプライバシー保護を前提にしたルールを組み込むと、何も考えずに防犯カメラを設置するよりも導入が難しくなります。余計なトラブルを避けたいのであれば、導入前の事前の打ち合わせに注力すべきです。セキュリティ強化とプライバシー保護は、相反する事柄だと言えます。全ての人間の動向を見守ろうとすればプライバシーは軽視され、プライバシー保護を意識すれば犯罪の発生確率が上昇するからです。その事を意識して妥協点を探るのが、防犯カメラの導入に必要な心構えだと言えます。



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