監視カメラで路面凍結による事故の瞬間を記録

路面凍結

昨日までは何ともなかった曲がり角が、突然つるつる滑る凍結路に変わる...。1年のうちで一番寒い期間に突入したこの時期は、街のアチコチで転倒やスリップによる被害が増加します。路面が凍結する場所には、いくつかの共通項があります。たとえば、橋などで道路の下に土がない場所。このような場所は、路面の下からも冷やされるので、凍結が起こりやすいとされています。しかし、このような場所に監視カメラが装備されていれば、凍結の状態を事前に告知することができます。また、事故の瞬間も記録できますから、過失割合などの算出にも有効なデータが取得できます。

事故を未然に防ぐ、監視カメラ

雪が降れば、道路や歩道が滑ると予測できます。しかし、そうではない場合、道路や歩道が凍結して滑りやすくなっていることを想定して行動を切り換えられる人は稀です。特に道路では、場所によって凍結したりしなかったりします。このため、それまで順調に走行していた車が、角を曲がった瞬間にスピンしたり、カーブを曲がりきれずに対向車線に飛び出したりすることも。凍結した道路は、運転中のドライバーからは判断がしにくく、直前になっても気が付かないことは多々あります。

屋外に設置された監視カメラは、このような道路の状況を把握するのに役立ちます。路面の凍結そのものは判別できなくても、屋外カメラによって交通の状態が見られれば、それを判断の材料にできます。これは、トラブルを未然に防ぐことに大きく役立ちます。このような監視カメラからの情報は、一般道に限らず、他の様々な場所にも応用ができます。たとえば、公共施設やショッピングセンターなどの広い駐車場にも応用が可能です。これらの施設では、建物北側の陰などの通路に、部分的な凍結が発生する場合があります。これらを早い段階で把握できれば、放置するのに比べて事故を未然に防げる確率はずっと高まると考えられます。

事故の状況を監視カメラが詳細に記録

もし、屋外の監視カメラが事故の瞬間を捉えていた場合、その記録は事故の原因究明や今後の事故防止に役立つ資料となります。最近では、車両にドライブレコーダーを装備した車両も増えています。これはこれで、交通事故の状況を客観的に解明するのに大いに役立ちます。しかし、ドライブレコーダーは、車両の進行方向や後方に固定されているため、車両そのものがスピンなどすると、肝心な“瞬間”が記録されていないことも考えられます。この意味で、路面の凍結が原因で発生した事故の詳細は、やはり屋外に設置された固定カメラによるものが確実と思われます。

屋外に監視カメラを設置する場合、問題となるのが電源と映像データの転送方法です。電源に関しては、監視カメラの動作にどうしても必要なものですから、何とかする以外に方法はありません。場合によっては、電源の確保がしやすい場所を選んでカメラを設置するという、ある意味逆転の発想が必要になる場面もあります。これに対して、録画データの扱いに関しては、いろいろと対処法が考えられます。理想的なのは、カメラ本体と管理サーバをケーブルで結ぶ方法です。しかし、カメラの設置場所によっては、これが困難ば場合もあります。その場合は、データ転送を無線化する方法があります。さらにそれが困難な場合は、カメラ本体に録画データを記録する方法もあります。

先にも触れましたが、路面の凍結は起きやすい箇所と起きにくい箇所があります。まず、重要なのは、水が溜まりやすい舗装のくぼみなどを改修して凍結が起こらないようすることです。その上で、建物北側の日陰部分など、路面凍結が起こりやすい場所に屋外カメラを設置して、周辺の状況を監視するのが効果的な危機管理に繋がると思われます。いずれにしろ、監視カメラの設置で路面凍結は防げません。しかし、監視カメラがあれば、路面の凍結をスピーディに察知し、短時間の内に対策を講じることで被害を最小限に留めることは可能です。また、事故が起こってしまった場合にも、回復までの労力を含むコストを最小限にするのにも役立ちます。

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