防犯カメラが見守る安心な街

防犯カメラが見守る安心な街

防犯カメラって自分で設置できるの?

防犯カメラは、犯罪が起きた際の証拠映像を残す機器と考えられがちです。しかし、防犯カメラの効用は、その機能だけにあるのではありません。ある場所や施設に防犯カメラを設置すると、その場所周辺に対する犯罪の抑止効果が得られます。これは、施設のオーナーやサービスの提供者はもちろん、それらの利用者にも大きなメリットをもたらします。なにか犯罪や事件などが発生した際の証拠が得られることはもちろんですが、防犯カメラの設置によって、その犯罪や事件そのものが少なくなります。これは、防犯カメラを設置する、大きな理由のひとつと言えます。

防犯カメラで生まれ変わった安心な街。繁華街

その名が示すとおり、犯罪を未然に防ぐ【防犯】設備として、防犯カメラはとても有効です。ご存知のように、防犯カメラは設置した場所周囲の映像を記録し続けます。また、多くの場合、防犯カメラが設置されたエリアでは、カメラを設置済みであることが掲示板などで告知されます。犯罪や事故は、人間によって起こされるものです。これらのうち過失や無意識以外のもの、つまり故意あるいは確信的な犯罪は、防犯カメラの設置によって減少することが確認されています。

その典型的な例が、東京・新宿の歌舞伎町でしょう。日本の代表的な歓楽街として知られる歌舞伎町は、かつては違法な客引きやアウトローが跋扈し、さまざまな犯罪が渦巻くエリアでもありました。しかし、平成14年に「街頭防犯カメラシステム」が導入されて以来、犯罪件数は徐々に減少する傾向にあります。警視庁が発表するデータによれば、平成14年に2103件あった歌舞伎町における刑法犯の認知件数は、平成26年には1283件にまで4割弱減少しています。ちなみに、路上犯罪の認知件数は571件(平成14年)から454件(平成26)にまで2割強減少しています。

もちろん、これらの数字には防犯カメラ設置以外の取り組みや活動の成果が反映されている可能性もあります。しかし、防犯カメラを設置した他の地域、たとえば渋谷や池袋、上野などでも同様の減少傾向が確認できることを見れば、防犯カメラが犯罪の抑止に有効であることに疑いの余地はありません。自分の行動がカメラに記録されていることを知っていれば、人は犯罪を犯そうとはしません。カメラによって犯罪が記録され、その後に責任を追求されることが容易に理解できるからです。この意味で、防犯カメラの設置と設置の告知は、犯罪の抑止に大きな効果があると考えて間違いはありません。

防犯カメラの導入には、厳格なプライバシー既定が必要

防犯カメラは、作動の時間帯を限定して運用することはできません。24時間連続して稼働するから防犯になるのであり、それは結果的に、一時的にしろ個人のプライバシーを記録するということになります。防犯カメラの設置による街頭防犯へのアプローチは、ややもすると通行人のプライバシーを侵害する危険性が指摘されることがあります。しかし一般的に、防犯カメラによる記録映像は、一定期保存された後は自動的に破棄あるいは上書きされる仕組みになっています。また、二次利用を不可とする取り決めの上で運用されるのが普通なので、個々人のプライバシーが侵害・毀損されることは実際には考えにくいことです。

最近では、設置に対して助成金を出す市や区もあり、公共の施設はもちろん、小規模な商店街などにも防犯カメラが導入されるのが珍しくなくなりました。そして、そこには先に触れたようなプライバシーの問題がつきまといます。特に商店街などへの導入に際しては、カメラによって得られた映像の扱い方をどうするかを、事前、かつ明確に既定することが重要です。実際に防犯カメラを導入する前に、このようなプライバシーに関する厳格なガイドラインが策定されれば、実際の運用で個人情報などに関する問題が起こることは避けられます。

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