防犯カメラのビットレート(bps)とは?インターネット通信する場合に注意!

ビットレートとは1秒間に処理または転送されるデータ量を示す指標です。オンラインのゲームをする場合や携帯スマホで映像を見る場合にも関係してくる実は身近な単位です。ビットレートは主に「bps(bits per second)」で表し、ビットレートが高いほど画質などが向上しますがデータ量も増えるため、ネットワーク等の負荷が大きくなります。
- ビットレート(bps)って?
- データの通信?通信量って何?
- 通信量の目安
- 目的に合わせた画質・ネット契約が必要
- ネットワーク回線を選ぶ際のポイント
- 【豆知識】ビットレートの種類
- 映像ビットレート
- 音声ビットレート
- オーバルビットレート(映像+音声)
- 固定ビットレート(CBR)
- 可変ビットレート(VBR)
- 平均ビットレート(ABR)
- 最大ビットレート(MBR)
- アダプティブビットレート(ABR)
- まとめ
ビットレート(bps)って?
前述の通りビットレート・bpsとは、1秒間に転送または処理できるデータ量です。
1秒間に何ビットのデータを転送または処理できるか、を表します。
通信速度が1Mbpsなら、M(メガ)=100万なので、1秒あたり100万ビットものデータを転送できます。
防犯カメラの映像はフレームレート数や画質で、映像の容量が大幅に変わります。何秒の映像をどれぐらいの画質で、インターネット経由で確認・保存したいのか?を考える必要があります。
データの通信?通信量って何?
通信量はデータの量を示す単位の一つで、バイトで表されます。
スマートフォンやパソコンを使って、動画を視聴したり何か検索したりする際にデータの送受信が発生します。その送受信の容量のことを通信量と呼びます。
防犯カメラの場合でもスマホやパソコンと同様に、映像をクラウド上のサーバーに送信したり、手元の端末で視聴するために受信したりと、通信量が必要となります。
防犯カメラ、とくにIPカメラやクラウドカメラがどれくらいの通信量を必要とするかは、把握しておきましょう。
通信量の目安
通信量を算出するためにはビットレートと1日あたりの通信時間が必要となります。
1ヵ月あたりの通信量を計算する場合、
1ヵ月の通信量(MB)=ビットレート(Mbps)×1日あたりの通信時間×30日÷8
という計算を行います。
※最後に8で割ることで単位をバイトにし(8ビット=1バイト)、計算結果をMB(メガバイト)で得られます。
目的に合わせた画質・ネット契約が必要
昨今は、光回線で100Mbpsの通信が可能な回線がほとんどです。ADSL回線やポケットwi-fiなどであれば容量が少ない・不安定なため注意が必要です。
また、防犯カメラの通信をする際は基本的にのぼり回線が重要です。SIM通信を使ったシステム構築の場合は、のぼりに特化した回線を選びましょう。
ネットワーク回線を選ぶ際のポイント
ネットワークカメラの回線を選ぶ際のポイントは主に3つです。
通信量の把握
ネットワークカメラの通信量は画質と音声の有無で決まります。
1080p(フルHD)の解像度では約8Mbpsの速度が必要で、1時間の撮影で約3GBの通信量がかかります。
高画質や長時間の撮影ではさらに通信量が増えるため、必要な通信量を正確に把握することが重要です。
安定した利用には光回線がおすすめです。下記は参考の値ですが随時アップロードするので変動する場合があります。
タイプ(解像度) | フレームレートが約30fps時に必要なビットレート |
---|---|
2160p(4K) | 35~45Mbps |
1080p | 8Mbps |
720p | 5Mbps |
480p | 2.5Mbps |
上り速度の確認
ネットワークカメラは映像をアップロードし続けるため、上り速度が重要です。
下り速度よりも上り速度が高速な回線を選ぶようにしましょう。
通信速度の制限確認
回線事業者によっては、一定の通信量を超えると速度制限がかかる場合があります。
月初は問題なくても月末に録画が見れない・できない等の可能性があるため、通信制限の有無を確認し、安定した接続が維持できる回線を選ぶことが大切です。
これらのポイントを考慮して、最適なネットワーク回線を選びましょう。
【豆知識】ビットレートの種類
ビットレートはただ単に通信量を表すだけでなく、いくつか種類があります。
映像ビットレート | 映像1秒間に対してのデータ量を表します。 映像ビットレートを算出する計算式は、 映像ビットレート=解像度×RGBデータ量(色の情報量)×フレームレート(1秒間の画像枚数) 映像ビットレートが高いほど映像はきれいになりますが、データ量が増えるデメリットがあります。 |
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音声ビットレート | 音声1秒間に対してのデータ量を表します。 音声ビットレートを算出する計算は、 音声ビットレート=サンプリングレート(1秒間の処理回数)×ビット深度 映像ビットレートと同様に、音声ビットレートが高いほど音質は良くなりますが、データ量が増える点がデメリットです。 |
オーバルビットレート (映像+音声) |
オーバルビットレートは、映像ビットレートと音声ビットレートの合計値です。 |
固定ビットレート (CBR) |
固定ビットレートは、動画や音声のエンコードに使われるビットレートのひとつです。「CBR(Constant Bit Rate)」とも呼ばれます。 動画の情報量にかかわらず同じデータ量でエンコードするので、圧縮後のデータ量が一定になります。 圧縮後のデータ量を予測できるというメリットがありますが、動画や音声の情報量が多い部分も少ない部分も同じビットレートでエンコードするため、エンコードされた動画の画質や音声の音質が不安定になる場合があります。 |
可変ビットレート (VBR) |
固定ビットレートと同じく、動画や音声のエンコードに使われるビットレートのひとつです。「VBR(Variable Bit Rate)」とも呼ばれます。 動画や音声の情報量に応じで圧縮率が変わるので、全体的に画質や音質が良くなりますが圧縮完了するまでデータ量がわからないのがデメリットです。 |
平均ビットレート (ABR) |
平均ビットレートは、動画や音声のエンコードに使われるビットレートのひとつです。「ABR(Average Bit Rate)」とも呼ばれます。 動画や音声データの情報量にかかわらず同じデータ量でエンコードする点は固定ビットレートと同じですが、可変ビットレートでエンコードした場合の平均値に近くなるよう、データ量が調整されます。 |
最大ビットレート (MBR) |
最大ビットレートは、動画や音声のエンコードに使われるビットレートのひとつです。「MBR(Maximum Bit Rate)」とも呼ばれます。 ビットレートの上限を決め、その範囲内で必要に応じてビットレートを変化させる、固定や可変の合わせ技のような制御方法で、平均ビットレートに近い動作が行われます。 |
アダプティブビットレート (ABR) |
アダプティブビットレートは、ストリーミング配信で使われるビットレートのことで「ABR(Adaptive Bit Rate)」とも呼ばれます。 略称で記載すると平均ビットレートと同じ表現になってしまうので注意が必要です。 アダプティブビットレートは通信環境に合わせ自動で動画や音声コンテンツの画質を調整してエンコードすることが可能です。 |
ビットレートのまとめ
ビットレート(bps)とは「1秒間に転送または処理できるデータ量」のことを指します。
ビットレートが高いことは、メリットにもデメリットにもなります。
目的に合わせて、適切にビットレートを設定したり、インターネット契約したりする必要があります。