AI防犯カメラとは?従来の防犯カメラとの違いやできること・選び方を解説!
防犯カメラのカタログやネット通販を見ると、AI搭載をうたう機種が並ぶようになりました。ただ、従来の防犯カメラとの違いや価格の差に見合う効果は、製品の説明だけでは判断しにくいものです。防犯カメラの違いを整理するには、AIが何をどこまで自動化してくれるのかを押さえるのが近道です。
この記事では、AI防犯カメラのできること・種類・導入時の注意点・選び方を解説します。記事を読めば、自分の現場にAI防犯カメラが必要かどうかを判断できます。AI防犯カメラの強みは、異常の検知と通知を自動化し、録画映像を確認する負担を減らせる点です。
AI防犯カメラとはAIが映像を解析して異常を検知する防犯カメラのこと
AI防犯カメラとは、AI(人工知能)が撮影中の映像を解析し、人や車両の検知から異常の通知までを自動で行う防犯カメラのことです。解説記事や製品カタログでは「AIカメラ」とも呼ばれます。
従来の防犯カメラの主な役割は、映像の記録と、カメラの存在による犯行の抑止でした。録画した映像を確認して異常を見つける作業は、人が担う必要があります。AI防犯カメラは映像の解析をカメラやシステムの側が担うため、異常の検知から関係者への通知までを自動化できます。
防犯カメラの導入を後押しする背景の1つが、侵入犯罪の件数です。警察庁の統計によると、2024年(令和6年)の侵入窃盗の認知件数は43,036件にのぼります。43,036件のうち16,962件は、住宅を発生場所とする侵入窃盗です。店舗や事務所だけでなく、住宅でも侵入への備えが求められています。
» 警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」(外部サイト)
AI防犯カメラでできること
AI防犯カメラの検知・解析機能は、機種や連携するシステムによって異なります。防犯の場面で使われる代表的な機能は以下の5つです。
- 人や車両を見分けて侵入を検知する
- 不審な行動や長時間の滞在を検知する
- 顔の識別で特定の人物を検知する
- 人数カウントで混雑状況を把握する
- 録画映像から人や車両が映る場面だけを絞り込む
人や車両を見分けて侵入を検知する
AI防犯カメラは映像に映った対象が人なのか車両なのかを見分けたうえで、敷地への侵入を検知できます。従来の防犯カメラにも動きを捉えるモーション検知はありましたが、木の揺れや光の変化にも反応するため、通知が増えやすい仕組みでした。
AIによる検知は対象を人や車両だけに絞れるので、余計な通知を減らせます。夜間の駐車場や資材置き場のように、人がいないはずの時間帯・場所の監視と相性が良い機能です。検知した瞬間に管理者へ通知を届けられるため、警察や警備会社への連絡といった初動を早められます。
不審な行動や長時間の滞在を検知する
人の動き方をAIが解析し不審な行動を見つける機能も特徴です。防犯カメラにAIを活用することで、不審な行動や同じ場所への長時間滞在を検知できるとされています。
万引きや車上狙いのような犯罪は、犯行の前にうろつきや下見を伴う場合があります。被害が出る前の段階で気づき、声かけや巡回につなげられる点が、記録が中心の従来の防犯カメラとの大きな違いです。
顔の識別で特定の人物を検知する
登録した顔の情報と映像を照合し、特定の人物の来店や立ち入りを検知する機能です。個人情報保護委員会の「カメラに関するQ&A」では、顔画像を撮影し、撮影した顔画像から顔特徴データを抽出して顔識別を行うシステムを「顔識別機能付きカメラシステム」と呼んでいます。
顔特徴データとは目・鼻・口といった顔の部位の位置や形状から定まる容貌を、個人の識別に使える形へ変換したデータのことです。
用途の例としては、店舗での万引き対策や、オフィスの入退室管理が挙げられます。顔の識別は個人情報の扱いに直結する機能のため、運用には利用目的の特定や公表といった法律上の対応が求められます。
人数カウントで混雑状況を把握する
映像に映った人数をAIが数え、場所ごとの混雑状況を把握する機能です。混雑した場所では、トラブルが起きても人の目だけで追い切るのは困難です。混雑の度合いを数値で把握できれば、警備員の配置や入場制限の判断材料になります。
録画映像から人や車両が映る場面だけを絞り込む
アルコムで取り扱うAI搭載IPカメラHITOCAシリーズは、人と車両に特化した検知に対応し、録画した映像から人や車両が映る場面だけを絞り込んで再生できます。長時間の録画をすべて見返す必要がないため、映像を確認する時間を短縮できます。
事件や事故が起きた後の映像確認は、時間のかかる作業です。絞り込みの検索機能があれば、警察に映像を求められたときの確認作業も短く済みます。
AI防犯カメラの種類
AI防犯カメラはAIがどこで映像を解析するかによって3つの方式に分かれます。方式の違いは、以下のとおりです。
- カメラ本体で解析するエッジ型
- クラウド上で解析するクラウド型
- 自社設置のサーバーで解析するサーバー型
カメラ本体で解析するエッジ型
エッジ型はカメラ本体に搭載したAIが映像を解析する方式です。カメラ内のAIプロセッサが解析を行うため外部の解析用パソコンが不要で、送信するデータの容量も減らせるとされています。
映像を外部に送らずその場で解析するので、検知までの遅れが小さい点が特徴です。1台からでも導入しやすく、店舗や住宅の防犯に使いやすい方式です。
クラウド上で解析するクラウド型
クラウド型はカメラの映像をインターネット経由でクラウドに送り、クラウド側のAIが解析する方式です。クラウドとは、インターネット越しにサーバーやデータの保存場所を利用する仕組みを指します。
解析機能の追加や更新をクラウド側で行えるため、導入後に機能を拡張しやすい方式です。複数の拠点のカメラを1つの画面でまとめて管理する使い方にも向いています。一方で月額の利用料がかかり、安定したインターネット回線も欠かせません。
自社設置のサーバーで解析するサーバー型
サーバー型は施設内に設置した解析用のサーバーに複数のカメラの映像を集め、まとめて解析する方式です。カメラの台数が多い工場や大型施設での利用に向いています。
多数のカメラの映像を一括で解析できる反面、サーバーの設置と保守に費用と手間がかかります。小規模な店舗や住宅よりも、法人の大規模な現場向けの方式です。
AI防犯カメラを導入するメリット
AI防犯カメラは導入に費用がかかる分、従来の防犯カメラにない効果を見込めます。導入の主なメリットは次の3つです。
- 異常の発生にその場で気づける
- 監視の人手と人件費を抑えられる
- 防犯以外の業務にも活用できる
異常の発生にその場で気づける
従来の防犯カメラは、被害が起きた後に録画を確認して状況を把握する使い方が中心でした。AI防犯カメラは検知した瞬間に通知を送るため、異常の発生にその場で気づけます。
異常に早く気づければ、警備会社への連絡や現場の確認といった対応を、被害が広がる前に始められます。夜間や休日のように現場に人がいない時間帯でも、24時間体制の監視を自動で続けられる点が強みです。
監視の人手と人件費を抑えられる
モニターを人が見続ける監視の業務は、AIによる自動検知への置き換えが可能です。KDDIの解説では、警備員1人を毎日配置した場合の費用は年間約607万円、AIカメラを使ったサービスの費用は年間約233万円と試算されています。
前提の条件によって金額は変わるものの、人による監視の一部をAIに置き換えれば、監視にかかる費用を抑えられる可能性があります。人手不足で警備員を増やせない現場でも監視の体制を保ちやすい点は、費用面と並ぶ利点です。
防犯以外の業務にも活用できる
人数カウントのような解析の結果は、防犯以外の業務にも活用が可能です。来客の傾向や滞在時間の分析を、データに基づく店舗づくりに活用できるとされています。
防犯のために設置したカメラを業務の改善にも使えれば、1台の投資で得られる効果が増えます。混雑状況の把握を人員配置の判断に使うなど、日々の運営に活かせる場面も豊富です。
AI防犯カメラ導入時の注意点
AI防犯カメラには導入前に知っておくべき弱点もあります。注意点は以下の3つです。。
- 従来の防犯カメラより費用がかかる
- 検知の精度は100%ではない
- 個人情報の扱いに配慮する必要がある
従来の防犯カメラより費用がかかる
AI機能を搭載する分、本体の価格は従来の防犯カメラより高くなる傾向があります。カメラ本体に加えて、方式によってはクラウドの月額利用料・解析用サーバーの費用・ネットワークの整備費も必要です。
参考として、アルコムで販売しているAI搭載IPカメラHITOCAシリーズには、カメラ本体が1台58,850円(税込)の機種や66,220円(税込)の機種があります(※)。レコーダーや設置工事の費用は構成によって変わるため、見積もりで総額を確認しましょう。
※2026年10月現在。価格・在庫は変更される場合があります。
検知の精度は100%ではない
AIによる検知は従来のモーション検知より余計な通知を減らせる一方、すべてを正しく判定できるわけではありません。誤検知や検知漏れをゼロにはできない前提で、運用を設計する必要があります。
検知エリアや感度の設定を現場に合わせて調整し、運用しながら見直すことが大切です。通知が多すぎると確認が追いつかず、本当の異常を見逃す原因になるためです。設定の調整まで相談できる販売店を選ぶと、導入後のずれを直しやすくなります。
個人情報の扱いに配慮する必要がある
特定の個人を識別できるカメラ映像は、個人情報です。個人情報保護委員会の「カメラに関するQ&A」では、事業者がカメラで特定の個人を識別できる画像を取得する場合に、利用目的をできる限り特定して目的の範囲内で利用することを求めています。
カメラで自分の個人情報が取得されていることを本人が容易に認識できない場合には、防犯カメラが作動中であることを店舗の入口やカメラの設置場所等に掲示する措置が例として挙げられています。
AI防犯カメラの顔識別機能を使う場合のルールはより厳格です。防犯目的であることだけでなく、顔識別機能を用いていることも明らかにして利用目的を特定したうえで、本人への通知または公表が求められます。録画映像の保存期間は、利用の必要性を考慮して設定するのが原則です。
必要がなくなったデータは、遅滞なく消去するよう努めることとされています。AI防犯カメラ導入の際は、掲示物の準備や映像の管理ルールの整備もセットで必要になります。
AI防犯カメラの選び方
機能の数や価格だけを比べても、自分の現場に合う1台は選びにくいものです。AI防犯カメラを選ぶときは、以下の5つのポイントを確認しましょう。
- AI防犯カメラを導入する目的を明確にする
- 目的に合う検知機能を確認する
- 設置環境に合う機種を選ぶ
- 費用は初期費用と維持費の総額で比較する
- 販売店・メーカーのサポート体制を確認する
AI防犯カメラを導入する目的を明確にする
最初に決めるべきものは、機種ではなく導入の目的です。夜間の侵入対策なのか店内の万引き対策なのかによって、必要な機能と設置場所が変わります。
目的が曖昧なまま高機能な機種を選ぶと、使わない機能に費用を払うことになります。「駐車場への夜間の侵入を検知して通知を受け取りたい」のように、対象と場所とやりたいことを1文で言えるまで整理しましょう。
目的に合う検知機能を確認する
目的を整理したら、候補の機種が必要な検知機能に対応しているかを確認します。目的と機能の対応の例は以下の表のとおりです。
| 導入の目的 | 確認したい機能 |
|---|---|
| 夜間・休日の侵入対策 | 人・車両の検知と通知、夜間の撮影機能 |
| 万引きや迷惑行為の対策 | 不審な行動の検知、顔の識別 |
| 混雑によるトラブルの防止 | 人数カウント、混雑状況の把握 |
| 映像確認の時間短縮 | 人・車両が映る場面の絞り込み検索 |
同じ「AI搭載」の表記でも、対応する検知機能は機種によって異なります。カタログの表記だけで判断できない場合は、販売店に目的を伝えれば対応する機種の絞り込みを任せられます。
設置環境に合う機種を選ぶ
屋外にAI防犯カメラを設置する場合に確認すべき点は、雨やほこりに耐える性能と夜間の撮影機能です。アルコムのAI搭載IPカメラHITOCAシリーズにも、屋外の防滴・防水に対応した機種や、赤外線による夜間撮影に対応した機種があります。
通信環境も方式の選択に関わる要素です。インターネット回線を用意できない場所では、クラウド型は使えません。電源の取り方や配線のルートも現地の状況によって変わるため、設置工事まで含めて相談できる販売店を選ぶと、下見の段階で設置の可否を確認できます。
AI防犯カメラの顔識別機能を使う場合のルールはより厳格です。防犯目的であることだけでなく、顔識別機能を用いていることも明らかにして利用目的を特定したうえで、本人への通知または公表が求められます。録画映像の保存期間は、利用の必要性を考慮して設定するのが原則です。
費用は初期費用と維持費の総額で比較する
カメラ本体の価格だけでなく、レコーダー・設置工事費・クラウドの月額利用料まで含めた総額で比較するのが基本です。方式によって費用のかかり方が違うためです。
エッジ型は導入時の費用が中心となり、クラウド型は月額の利用料が続きます。サーバー型はサーバーの設置費用が導入時に大きくかかり、その後は保守費用が中心です。
使う年数を決めて総額を見積もれば、方式の違う候補どうしを同じ条件で比較できます。安さだけで選ばず、目的に必要な機能を満たしたうえで総額を抑えられる構成を探しましょう。
販売店・メーカーのサポート体制を確認する
AI防犯カメラ導入後の設定調整や故障対応まで見据えて、サポート体制を確認しましょう。検知エリアや感度の設定は、設置した後の調整が前提になるためです。
保証の期間や問い合わせ窓口の有無は、販売店と機種によって異なります。アルコムのAI搭載IPカメラHITOCAのセット商品には、3年保証が付いています。購入前に、保証の年数と故障したときの対応の流れを確認しておくと安心です。
まとめ|AI防犯カメラは目的の整理と専門店への相談で選びましょう
AI防犯カメラとはAIが映像を解析し、人や車両の検知から異常の通知までを自動で行う防犯カメラのことです。従来の防犯カメラが担ってきた記録と抑止に加えて、検知と通知の自動化まで任せられます。この記事で解説した要点は、以下のとおりです
- AI防犯カメラは人や車両の検知・不審な行動の検知・顔の識別・人数カウント・映像の絞り込みに対応する
- 解析の方式にはエッジ型・クラウド型・サーバー型がある
- 検知の自動化により、異常への初動を早めながら監視の人手を抑えられる
- 費用・検知精度・個人情報への配慮の3点に導入前から備える
- 選ぶときは目的の明確化から始め、検知機能・設置環境・総額・サポート体制を確認する
導入の目的を1文で言えるまで整理できれば、機種選びの大半は終わっています。目的から順に検討すれば、使わない機能への出費を避けながら、必要な防犯の体制を過不足なく整えられます。
残る設置環境や構成の判断は、専門店に相談しながら詰めるのが確実す。アルコムではAI搭載IPカメラを含む防犯カメラの導入について、問い合わせフォームから相談できます。現場の状況と目的を伝えて、自分に合う1台を選びましょう。
» 防犯カメラの導入に関するお問い合わせはこちら参考情報
・警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」(令和7年8月) https://www.npa.go.jp/toukei/seianki/R06/r06keihouhantoukeisiryou.pdf
・個人情報保護委員会「カメラに関するQ&A」 https://www.ppc.go.jp/files/pdf/camera_QA.pdf
・KDDI「AIカメラとは?特徴と3つの機能でできること、身近な活用事例を解説」 https://biz.kddi.com/content/column/smartwork/what-is-ai-camera/
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この記事の制作者:アルコム 担当者T
株式会社アルコム:2003年設立の20年以上実績がある防犯カメラ専門店。福岡県内の警察署・交番300ヶ所以上に防犯カメラの設置や美術展示会などへの防犯カメラ提供の実績が多数。
担当のT:防犯カメラ業界に10年在籍しており、販売と提案実績も多数。防犯カメラに関するホワイトペーパーや防犯カメラに関する記事などの制作も多数。
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