監視カメラの種類と設置効果

監視カメラの種類と設置効果

監視カメラは、設置した場所に馴染み、周辺の状況を記録します。防犯カメラは自らの存在をアピールすることによって犯罪の抑止を目指しますが、監視カメラのポジションはこれとは対照的です。監視カメラは、マンションのエントランスやエレベーターなど、プライベートな場所にも多く導入されます。このため、特に屋内に設置する場合は、カメラとしての性能を備えながらも設置環境に馴染む配慮が求められています。

防犯カメラと監視カメラの種類の違い

防犯カメラと監視カメラは、カメラの性能や機能には大きな違いがありません。両者とも、設置した場所の映像を録画する機能があります。そして、犯罪や事故などが発生した場合は、その映像が犯人の特定や事故の原因究明などに役立つことになります。

防犯カメラと監視カメラを区別するとすれば、設置されたカメラの存在が犯罪の抑止に役立っているか否かがチェックポイントとなります。具体的には、設置されたカメラが誰の目にも目立つのなら防犯カメラ、設置が目立たないのであれば監視カメラと考えて良いでしょう。

たとえば、銀行のATMコーナーで全体が見渡せる位置に設置されているのが防犯カメラです。これに対して、個々のATM機の正面にあるマジックミラーの奥に設置されているのが監視カメラです。現在では、マジックミラーの奥にカメラがあることは多くの人が知っています。ですから、ATMに関しては、マジックミラーの奥のカメラも防犯に役立っています。しかし、その存在は、ATMコーナーの天井にある防犯カメラのように、ATMの利用者にアピールされてはいません。ここが両者の大きな違いです。

この他、監視カメラに関しては、ライブ性がやや重視されるという側面もあります。たとえば、台風が近づく港の様子や活動が活発化している火山の状況を離れた場所から確認するカメラは監視カメラです。これらのカメラは、高倍率のズームや首振り機能、暴風雨の中でも使える堅牢性などを備えるため、かなり大型で目立ちます。しかし、その存在によって犯罪を抑止する目的で設置されているわけではありません。

いろいろな監視カメラ

監視カメラには、いろいろな種類があります。しかし、いずれも威圧感のないデザインを取り入れたものが多いようです。よく店舗や公共施設などで見かける監視カメラとしては、ドーム型のものがあります。このタイプは、カメラ全体がドーム型のパーツで覆われています。このため、ちょっと見にはカメラのレンズがどこを狙っているのかが分かりません。

カメラのレンズが自分の方を向いていると、人は少なからず緊張するものです。この点、ドーム型のカメラは外からレンズが見えにくいので、人に緊張を強いることがあまりありません。また、外からカメラが見えないので、物々しさを軽減する効果もあります。先に触れた銀行のATM機やエレベーターなどには、マジックミラーの向こう側に監視カメラが設置されていることがあります。マジックミラーの奥にカメラがあることは、現在では多くの人が知ることです。

このため、これらのカメラも防犯に役立っていることは否定できません。しかし、存在を目立たなくしている面では監視の意味が強く、防犯カメラというよりは監視カメラに区分されるものです。この他、監視カメラには、壁掛け時計の内部に組み込まれたものや、ちょっとした置物のように見えるものなど、サイズも含めてさまざまなデザイン・スタイルのものがあります。監視カメラは、犯罪や不正行為の記録はもちろん、モノ作りの現場でより良い作業手順・製造工程を再構築する際の現場資料や事故の原因究明など、さまざまな場面で活用されています。当然ながら、このような現場ではカメラ本体を隠す必要はなく、より細密な画像が扱える機能と耐久性を重視したカメラが設置されることになります。

負担を減らして効率を上げる、監視カメラの設置効果

監視カメラの設置は、大きく二つの効果をもたらすと考えられます。

一つ目は、作業や状況の正確な記録です。たとえば、店舗でレジを監視するカメラを設置したとします。ある日のレジの集計額と実際のレジ内の金額が合わなかった時、監視カメラが稼働していれば、その原因を突き止めやすくなります。コインの種別まで判別できる性能のカメラであれば、お釣りが多かった/少なかったなどのミスも発見できるでしょう。

また、その店舗で働くスタッフに監視カメラが稼働していることを知らせていたなら、従業員に対する犯罪の抑止にも効果があるでしょう。これが二つ目の効果です。この他、監視カメラは、コンビニファーストフードなど深夜でありながら少人数のスタッフで営業しなければならないような業態の店舗で、従業員に対するサポートにも活用されています。

たとえばある居酒屋チェーンでは、店内に設置した監視カメラの映像を本部スタッフが逐次チェックして、客が殺到してオペレーションが滞りがちな店舗に応援スタッフを送ります。また逆に、客の入りが今ひとつな店舗には店に連絡を入れ、割引券の配布などの指示を出します。監視カメラをこのように使えば、従業員の負担を減らし、店舗の売上を最大化することも可能になります。

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