予算やコストを考えた防犯監視カメラの導入
かつての防犯カメラは、機器が大きく立派でした。また、設置される場所も金融機関やセキュリティが厳しいビルの入り口などが目立ったためか、導入には多くの予算が必要とのイメージがありました。しかし、現代の防犯カメラは非常に小型でリーズナブルです。また、導入後の運用にもほとんど費用が掛からないのが普通となっています。導入コストと運用コストが劇的に下がった、最近の防犯カメラの現状をご紹介しましょう。
コスト引き下げに大きく貢献した、防犯カメラのデジタル化
最近の防犯カメラは、以前とは比べものにならないほどに低価格です。近ごろは、カメラ本体と録画装置、ケーブル類などを合計しても、設置費用が10万円かからない場合もあります。この金額には、設置の作業代金も含まれますから驚きです。これは、現在の防犯カメラシステムがデジタル式であることが大きな要因のひとつと考えられます。以前の防犯カメラは、アナログ式が一般的でした。アナログ式の映像機器は回路の設計や調整が難しく、また実際の運用に際しても扱いに技術的な知識が必要でした。また小型化も難しいので機器が大きく、高価という側面もありました。
しかし、デジタル化された防犯カメラにそのようなネガティブな面はありません。多くの携帯電話にカメラ機能が搭載されているように、デジタルで画像を扱う際に使用するCCD素子は非常に小さいのが特徴です。しかも、アナログ式に比べて圧倒的に高い性能を持ちます。このCCD素子を画像の認識に使うデジタル式の防犯カメラは、小型で電力をあまり消費せず、しかも取り扱いが簡単という多くのメリットを持ちます。また、微妙な調整が不要なデジタル回路は製造コストも低く、製品を安く作ることを可能にしました。
カメラが捉えた映像を処理・記録する機器にも、デジタル化は大きな恩恵をもたらしました。まず、カメラ本体から記録装置までのケーブルがアナログ時代のものに比べてずっとシンプルで安価なものが利用できるようになりました。また、録画機器として汎用的なパソコンが利用できるようになり、システム全体に対する導入コストが大きく下がりました。もし専用の録画装置を使うにしても、それもデジタル機器なので価格はアナログ式より安価です。
これら、デジタル化されたシステム全体と、デジタル化のために簡素化された取り付け工事などが相まって、防犯カメラの導入コストは以前とは比べものにならないほどリーズナブルになっているのです。
導入教育の必要がない、シンプルな操作が可能
企業で防犯カメラを導入する場合、以前は導入後の運用に関しても費用が必要でした。実際にどのように防犯カメラを操作し、もし問題が発生した場合にはどう対処するかを決めておく必要があるからです。かつては、その対応に予算を組み、時間を確保してスタッフの教育を行うのが普通でした。現在でも、個人情報の取り扱いなどに関しては、従業員の教育が必要です。しかし、防犯カメラシステムそのものの扱い・操作に関しては、そのコストが軽減できる場面が多いようです。それは、防犯カメラシステムの操作が簡単に行えるようになったからです。
パソコンをベースにした防犯カメラシステムの場合、操作はパソコンで起動したアプリ上で行います。当然ながら、操作はマウスで行い、必要であればヘルプファイルの参照も可能です。このため、ごく基本的な操作方だけレクチャーすれば良く、多くの時間をシステム操作の教育に費やす必要はなくなりました。
また、カメラが捉えた映像を管理するアプリケーションは、一旦設定すれば、その後の処理は自動的に行なえます。指定した時間を経過した映像を自動的に削除したり、指定した場所に何かの違反行為があればアラートを表示するなど、ごく基本的な機能はソフトウェアが自動的に処理します。
発展性がある機器を選択
もし、予算の関係で防犯カメラの導入を先送りにしてるなら、小規模でも構わないのでとりあえずシンプルなシステムを導入するのがお勧めです。最近の防犯システムには、カメラの数や自動処理などの機能を後から追加・強化できるものが増えています。最初にこのような発展性・拡張性を備えた機器を選んでおけば、最初はシンプルな防犯システムでも、将来的には総合的な防犯システムに発展させることができます。
また、このような導入計画であれば、最新の機器を導入しやすいという利点もあります。ご存知のように、デジタル機器の進歩には目を見張るものがあります。最初から完成形を一気に導入するのも有用な方法ですが、少しづつ機器やソフトウェアを拡張すると、その都度、新しい機能が使えるというメリットがあります。また、価格低下が早いデジタル機器ですから、必要な機能だけを必要なタイミングで導入すれば、コスト的にも有利という恩恵も受けられます。
