利用シーンが広がるネットワークカメラ

遠隔監視のイメージ

ネットワークカメラは、インターネットに接続するタイプのカメラです。既存のインターネット回線に接続しますから、カメラが捉えた映像をどこででも確認できます。また、無線LANの機能を持つカメラであれば、設置も非常に簡単に行えるメリットがあります。

スマートフォンやタブレットからも確認OK

日本でも常時接続のインターネットが一般的になって、接続時間による料金を気にせずインターネットが楽しめるようになりました。ネットワークカメラは、このインターネット回線に接続する機能を備えたカメラです。カメラをインターネットに接続することで、スマートフォンやタブレットなどを使い、場所を選ばずにカメラの映像がモニタリングできるようになりました。また、マイクを装備したカメラであれば、音声の確認も可能です。映像に加えて音声があると、カメラを設置した場所の状況をより詳しく知ることができます。

カメラがインターネットに接続できると、これまでの防犯/監視カメラとは違った使い方やサービスの提供が可能になります。たとえば、保育園にネットワークカメラが設置されていれば、子どもの保護者が、会社や自宅にいながら保育園での我が子の様子を見ることができます。これは、今までの防犯/監視カメラでは実現できなかったサービスです。しかも、このようなサービスを提供しても、カメラを設置した保育園では余分な費用がかかりません。サービスの開始時、映像を公開するためのサーバ設置やパスワード設定などに多少の投資が必要になる場合はありますが、その後の運用費用は基本的には0円です。

あまり費用をかけずに、新しいサービスを提供できるのは、ネットワークカメラの大きな特長の一つです。

導入が簡単なネットワークカメラ

ネットワークカメラは、既にインターネットの常時接続環境がある場所が導入の前提となります。しかし、それさえクリアしていれば、非常に簡単に導入できる特長があります。インターネットの常時接続環境としては現在、ADSL、CATVのケーブルを利用したもの、光ケーブルなどの種類があります。ネットワークカメラは、これらの接続形態のうち、どの環境でも導入可能です。

ネットワークカメラは、LANのルータに接続して使います。つまり、接続に必要なのは、電源ケーブルの他はLANケーブルのみになります。カメラの機種によってはLANケーブルから電源の供給を受けるタイプのあるので、その場合は電源ケーブルさえ不要になります。ネットワークカメラでは、これまでの防犯/監視カメラのような映像用のケーブルが必要ないので、導入時のコストも抑えられるメリットがあります。さらに、もしカメラが無線LANに対応しているのであれば、ルータに接続するためのLANケーブルさえ必要なくなります。つまり、このタイプのカメラでは、カメラの設置工事の際に必要なケーブル工事は電源ケーブルだけになります。

無線LANに対応したネットワークカメラを使うには、当然ながらルータも無線LANに対応している必要があります。しかし、現在売られているルータの多くは無線LANに対応している場合が多いようです。もし、ルータが無線LANに未対応でも、ルータにアクセスポイントを追加することで簡単に無線対応にできるので問題はありません。

高機能ソフトとの組み合わせで、多彩な監視を実現

ネットワークカメラも、外見上は普通の防犯/監視カメラと違いはありません。しかし、カメラで捉えた映像を送る仕組みが、これまでの防犯/監視カメラとは異なります。ネットワークカメラは、LANのルータにつながったネットワーク機器です。このため、ネットワークに接続されたパソコンやスマートフォンなど、いろいろな機器から画像を利用することができます。

もちろん、ネットワークカメラの映像や音声を記録することも可能です。記録の方法はいくつかあるので、予算や目的に応じて選択可能です。一番簡単な記録方法は、SDカードを使う方法です。ネットワークカメラには、画像の記録用として本体にSDカードが装着できる機種があります。このような機種であれば、SDカードを用意するだけで、画像や音声の記録が可能になります。画像や音声は、SDカードの容量内で繰り返し上書き保存されます。何か問題が発生した時にだけカメラからSDカードを取り出し、パソコンなどでチェックできるので手間がかかりません。

ネットワークに接続されたパソコンにソフトをインストールし、パソコンのHDDに映像を記録する方法もあります。このようなソフトは、ネットワークカメラに付属しているのが普通です。また、Panasonicなどネットワークカメラを扱うメーカーからは、専用のソフトが発表になってもいます。このようなソフトは、非常に高機能です。Panasonicのソフト「BB-HNP17」を例にすると、複数のカメラ画像を1画面に表示したり録画するのはもちろん、大きな音や衝撃を感じた時や設定した場所に動きがあった場合だけ録画するなどの機能を持っています。また、対応するカメラであれば、カメラの向きを変えることも可能です。ネットワークカメラは、その豊富な機能や導入の容易さから、今後どんどん導入実績が増えると思われます。それに応じて、低価格で高機能を備えたモデルの登場も期待できます。防犯/監視カメラの導入を考えるなら、ぜひチェックしたい分野と言えそうです。

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