防犯カメラ映像の確認方法とは?保存期間や警察・開示請求への対応も解説!
防犯カメラを設置すると、録画した映像の管理はすべて設置者の仕事になります。映像を確認する画面の用意も、何日分を残すかの設定も、機器まかせにはできない作業です。映像の扱い方を決めないまま設置すると、肝心の場面で映像が残っていないトラブルにつながります。
映像の管理には、機器の知識だけでなく個人情報保護法のルールも関わります。この記事では、防犯カメラ映像の確認方法と記録媒体の種類、保存期間の目安や開示・提供への対応をまとめました。
記事を読めば、設置後の映像管理まで見通したうえで機種を選べます。防犯カメラ映像は確認手段・保存期間・開示時の対応を導入前に決めておけば、必要な場面で確実に活用できます。
防犯カメラ映像を確認する方法
防犯カメラの映像は録画データがどこに保存されているかで確認の手順が変わります。防犯カメラ映像を確認する方法は以下の3つです。
- レコーダーをモニターやパソコンにつないで確認する
- SDカードなどの記録媒体をパソコンで確認する
- インターネット経由でスマートフォンやパソコンから確認する
レコーダーをモニターやパソコンにつないで確認する
防犯カメラの映像を録画して保存する専用機器を、レコーダー(録画装置)と呼びます。レコーダーとモニターをケーブルで接続すると、録画した映像をその場で再生できます。パソコンに専用ソフトを入れて、レコーダーの映像を読み込む方法も一般的です。
録画データは日時で管理されているため、確認したい日付と時間帯を指定して再生します。店舗や事務所のように毎日長時間録画する環境では、レコーダーでの保存と確認が運用の基本になります。
SDカードなどの記録媒体をパソコンで確認する
カメラ本体にSDカードを差して録画するタイプでは、カードを取り出してパソコンに読み込むと映像を確認できます。レコーダーの置き場所や配線がいらず、家庭用など小規模な設置に向いた方法です。
確認のたびにカードを抜き差しするため、カードの紛失や破損には注意しましょう。カードを抜いている間は録画が止まる点も踏まえて、確認のタイミングを決める必要があります。
インターネット経由でスマートフォンやパソコンから確認する
インターネットに接続できる防犯カメラでは、専用のアプリやソフトにログインすると、離れた場所から映像を確認できます。外出先から店舗の様子をリアルタイムで見られるほか、録画済みの映像の再生も可能です。
複数拠点のカメラを1つの画面でまとめて管理できる製品もあります。ログイン用のIDとパスワードが漏れると第三者にも映像が見えてしまうため、認証情報の管理には注意が必要です。
防犯カメラの映像を保存する記録媒体の種類
防犯カメラの映像の保存に使われる主な記録媒体は以下の3つです。
- ハードディスク(HDD)
- SDカード
- クラウド
ハードディスク(HDD)
ハードディスク(HDD)はレコーダーに内蔵される大容量の記録装置です。容量あたりの価格が安く、複数台のカメラで長期間録画する用途に向いています。店舗や施設の防犯カメラでは、HDD内蔵レコーダーでの録画が広く使われている方式です。
一方で、HDDは衝撃や振動に弱い性質があります。レコーダーは安定した場所に設置し、故障に備えて重要な映像は別の媒体にも控えを残しておくと安心です。
SDカード
SDカードはカメラ本体に直接差し込んで使う小型の記録媒体です。レコーダーを設置する配線や置き場所がいらず、手軽に録画を始められます。
容量はHDDより小さく、古い映像が上書きされるまでの期間も短くなります。長期間の保存が必要な環境には向かないため、家庭用のカメラや補助用のカメラでの利用が中心です。
クラウド
クラウドはインターネット上の保管場所に映像を保存する方式です。手元に録画機器を置かないため、カメラ本体が壊されたり盗まれたりしても、保存済みの映像は残ります。
利用には月額料金がかかり、保存できる日数は契約するプランで決まります。インターネット回線の品質が録画の安定性に直結する点も、導入前に確認しておきたいポイントです。
防犯カメラの映像を保存できる期間の目安
防犯カメラの映像は、記録媒体の容量がいっぱいになると古いものから順に上書きされていきます。何日分を残せるかは機器と設定次第です。保存期間について押さえておきたいポイントは、以下の3つです。
- 保存期間を定めた法律はない
- 設置場所別の保存期間の目安
- 保存期間を延ばす方法
保存期間を定めた法律はない
防犯カメラ映像の保存期間を一律に定めた法律はありません。何日分を残すかは、設置の目的に合わせて設置者が決める仕組みです。
個人情報保護委員会は「カメラに関するQ&A」で、利用の必要性を考慮して保存期間を設定し、利用する必要がなくなった個人データは遅滞なく消去するよう努めることを求めています。むやみに長く残すのではなく、目的に必要な期間だけ保存する考え方が基本です。
公的機関の運用例も参考になります。警視庁の街頭防犯カメラシステムでは、映像を厳格な管理のもと30日間保存し、保存期限を過ぎたデータは自動的に上書きで消去しています。
設置場所別の保存期間の目安
防犯カメラ映像の保存期間の目安は、設置場所ごとの利用実態によって変わります。設置場所別の保存期間の目安は、以下の表のとおりです。
| 設置場所 | 保存期間の目安 |
|---|---|
| 自宅 | 3日~1週間程度 |
| マンション・店舗 | 1週間~1か月程度 |
| 工場 | 1年以上 |
実際に残せる日数は、HDDの容量や画質の設定、カメラの接続台数で大きく変わります。工場では事故・労災の調査や品質対応など、後から映像確認が必要になるケースが多いため、保存期間が長くなりやすい傾向があります。
カメラ1台・2TBのHDDを使う場合、フルHD画質・30fpsの高画質設定では約23日分、5fpsの中画質設定では約86日分の録画が可能です。複数台のカメラを1台のレコーダーで運用する店舗などでは、台数が増えるほど1台あたりの録画可能日数は短くなる点に注意しましょう。
fps(フレームレート)とは、1秒間に記録するコマ数を表す単位を指します。
保存期間を延ばす方法
同じ機器でも、防犯カメラの設定と構成を見直すと映像を保存できる日数を延ばせます。保存期間を延ばす主な方法は次の3つです。
- 動体検知機能で録画時間を絞る
- HDDを増設する
- 画質やフレームレートを下げる
動体検知とは、画面内の動きを検知したときだけ録画する機能のことです。人の出入りが少ない場所では録画時間を大幅に減らせるため、同じ容量でも長い期間の映像を残せます。HDDの増設はレコーダーの空きベイやポートを利用して記録容量そのものを増やす方法で、設定を変えずに保存日数を延ばせる点がメリットです。
ただし防犯カメラの機種によって対応台数や容量の上限があるため、増設前に対応可否を確認しましょう。画質やフレームレートを下げる方法は手軽ですが、下げすぎると人物や車両の判別が難しくなります。残したい情報を読み取れる画質を保ったうえで調整しましょう。
防犯カメラの映像と個人情報保護法の関係
防犯カメラで録画した映像には、通行人や来店客など多くの人が映り込みます。防犯カメラの映像と個人情報保護法の関係で押さえておきたいポイントは以下の3つです。
- 個人を識別できる映像は個人情報に当たる
- 防犯目的なら利用目的の通知・公表は不要とされている
- カメラが作動中であることの掲示が望ましい
個人を識別できる映像は個人情報に当たる
顔などから特定の個人を識別できる映像は、個人情報保護法の個人情報に該当します。個人情報保護委員会の「カメラに関するQ&A」でも、特定の個人を識別できる映像情報は個人情報に該当するとの見解です。
事業者が防犯カメラで個人を識別できる映像を取得する場合、特定した利用目的の範囲内で利用しなければなりません。防犯目的で取得した映像をマーケティングなど別の目的に使うには、あらかじめ本人の同意が必要です。撮影した映像は防犯のための記録と割り切って扱うのが原則です。
防犯目的なら利用目的の通知・公表は不要とされている
個人情報を取得するときは、利用目的を本人に通知するか公表するのが原則です。ただし防犯カメラの映像は設置状況から防犯目的であることが明らかな場合「取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合」に当たります。
防犯目的の場合の通知・公表は不要と考えられており、個人情報保護法第21条第4項第4号に基づく整理です。
撮影した顔の画像をデータ化して照合する、顔識別機能付きのカメラシステムを使う場合は扱いが異なります。カメラの外観からは顔識別の利用がわからないため、利用目的の通知・公表が必要です。
カメラが作動中であることの掲示が望ましい
撮影されている本人が、カメラの存在に気づけるようにする配慮も求められます。設置状況からカメラに気づくのが難しい場合には、防犯カメラが作動中であることを店舗の入口やカメラの設置場所などに掲示する措置が必要です。
カメラの存在が外観からわかる場合でも、掲示によってより気づきやすくすることが望ましいとされています。掲示物はカメラの設置場所や建物の入口など、撮影される人の目に入る場所に取り付けましょう。
防犯カメラに映った本人や警察から映像を求められたときの対応
防犯カメラの映像の開示・提供を求められる主なケースは次の2つです。
- 映っている本人から開示を求められた場合
- 警察から捜査のために提供を求められた場合
映っている本人から開示を求められた場合
事業者が開示や訂正の権限を持つ個人データを、個人情報保護法では保有個人データと呼びます。録画した映像が保有個人データに該当するかどうかは、映像の管理方法次第です。該当する場合、映っている本人から開示請求があれば、開示義務の例外に当たらない限り適切に対応しなければなりません。
対応の際は、本人以外の人が映り込んでいる部分の扱いに注意が必要です。開示の範囲や手順の判断に迷う場合は、弁護士など専門家への相談も検討しましょう。
警察から捜査のために提供を求められた場合
個人データに該当する映像を本人の同意なく第三者へ提供することは、原則として認められていません。ただし個人情報保護法は、法令に基づく場合などの例外を定めています。
警察や検察などの捜査機関が刑事訴訟法第197条第2項に基づいて行う捜査関係事項照会は、この「法令に基づく場合」に該当すると解されています。
捜査関係事項照会とは、捜査機関が捜査に必要な事項の報告を関係先に求める手続きのことです。照会に基づく映像の提供は、本人の同意がなくても個人情報保護法に違反しません。実際に提供するときは、依頼の根拠と提供する映像の範囲を確認したうえで対応しましょう。
防犯カメラの映像流出を防ぐ管理のポイント
防犯のために録画した映像も、漏えいすると撮影された人に不利益が及びます。個人情報保護委員会が例示する安全管理措置を踏まえた管理のポイントは以下の3つです。
- 映像を扱う担当者を限定する
- パスワード設定などのアクセス対策を行う
- 記録媒体の盗難・紛失を防ぐ
映像を扱う担当者を限定する
映像を誰でも見られる状態にしないことが、流出防止の出発点です。個人情報保護委員会の「カメラに関するQ&A」では、映像を取り扱うシステムを使用できる従業者の限定や責任者の設置、取り扱いに関する規程の整備が安全管理措置の例として挙げられています。
あわせて、映像を扱う従業者への研修も例示の1つです。閲覧できる人の範囲と操作のルールを文書で決めておくと、担当者が代わっても同じ水準の管理を続けられます。
パスワード設定などのアクセス対策を行う
インターネット経由で映像を確認できる防犯カメラでは、アクセス対策の設定が欠かせません。ネットワークを介して映像を取り扱う場合の措置として、パスワード設定などの技術的なアクセス制御や、アクセスログの取得・分析による不正利用の監視が例示されています。
アクセスログとは誰がいつシステムに接続したかの記録のことです。記録を定期的に確認すると、身に覚えのない接続の早期発見につながります。
記録媒体の盗難・紛失を防ぐ
映像はネットワーク経由だけでなく、記録媒体そのものからも流出します。映像を保存した電子媒体の盗難や紛失を防ぐため、設置場所に応じた物理的な安全管理が求められています。
レコーダーは施錠できる場所に置き、SDカードの持ち出しルールを決めておきましょう。保存が不要になった媒体を処分するときも、映像を復元できない状態にしてから手放すと安心です。
まとめ|防犯カメラ映像は確認方法と保存・開示のルールを決めてから導入しましょう
防犯カメラ映像の確認方法から、保存期間の考え方、個人情報保護法に基づく対応までを解説しました。この記事の要点は、以下のとおりです。
- 映像の確認方法はレコーダー・記録媒体・インターネット経由の3つ
- 画保存期間を定めた法律はなく、設置場所に合わせて設置者が決める素数
- 個人を識別できる映像は個人情報に当たり、作動中の掲示が望ましい
- 本人からの開示請求には法に基づき対応し、警察への提供は法令に基づく場合に可能
- 流出防止には担当者の限定・アクセス対策・記録媒体の管理が有効
映像の扱い方を導入前に決めておけば、機種選びの基準が明確になり、トラブルの発生時にも映像を証拠として確実に活用できます。防犯カメラは、設置して終わりではなく映像を管理してこそ役立つ設備です。
アルコムでは防犯カメラの導入に関する問い合わせを受け付けています。設置場所や目的に合った機種選び・映像管理に迷ったら、以下のページから相談してみましょう。
» 防犯カメラの導入に関するお問い合わせ(アルコム)参考情報
・個人情報保護委員会「カメラに関するQ&A(『個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン』に関するQ&Aより抜粋)」https://www.ppc.go.jp/files/pdf/camera_QA.pdf
・公益社団法人日本防犯設備協会「統計データ(住宅を対象とした侵入犯罪関連データ)」https://www.ssaj.or.jp/pubdoc/graph_02.html
この記事または類似の防犯に関連する記事

この記事の制作者:アルコム 担当者T
株式会社アルコム:2003年設立の20年以上実績がある防犯カメラ専門店。福岡県内の警察署・交番300ヶ所以上に防犯カメラの設置や美術展示会などへの防犯カメラ提供の実績が多数。
担当のT:防犯カメラ業界に10年在籍しており、販売と提案実績も多数。防犯カメラに関するホワイトペーパーや防犯カメラに関する記事などの制作も多数。
人気の防犯カメラセットTOP3
型番:SET586
型番:SET605
型番:SET683


