ペイハラとは?事例・原因・対策を医療現場向けに解説

アルコム 担当者T 最終更新日:2026-05-08
看護師が悩んでいる顔写真

患者や家族から医療従事者への暴言・暴力・理不尽な要求、いわゆる「ペイハラ」に悩んでいませんか。

ペイハラは、放置すると医療従事者の離職や医療サービスの質低下につながる深刻な問題です。組織として正しく対処することで、現場スタッフを守り、安全な職場環境を維持できます。

この記事では、ペイハラの定義や事例から、発生時の対処法・組織的な予防策・被害を受けたスタッフへのサポートまで幅広く解説します。現場での対応や対策づくりの参考にしてください。

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目次
  1. ペイハラ(ペイシェントハラスメント)とは?
    1. カスハラとの違い
    2. ペイハラが深刻化している背景
  2. ペイハラに該当する行為の種類
    1. 身体的暴力
    2. 暴言・脅迫・精神的攻撃
    3. 過剰要求・業務妨害
  3. ペイハラの具体的な事例
    1. 院内での事例
    2. 院外での事例(SNS・ストーカーなど)
  4. ペイハラが起こる原因
    1. 患者・家族側の要因
    2. 医療機関側の要因
  5. ペイハラへの対処法
    1. 複数人で冷静・毅然と対応する
    2. 別室へ誘導し状況を落ち着かせる
    3. 記録・証拠を残す
    4. 上司・院内窓口へ報告する
    5. 警察・弁護士への相談が必要なケース
  6. 組織で取り組むペイハラ対策
    1. 対応方針をポスター・院内掲示で周知する
    2. 対応マニュアルを作成・全員で共有する
    3. 防犯カメラを設置して証拠映像を確保する
    4. 教育研修で取り上げるべき内容
    5. 研修の実施頻度と運用のポイント
  7. ペイハラ被害を受けた職員へのサポート
    1. メンタルケアと相談窓口の整備
    2. 休職・退職時の労務対応
  8. まとめ|ペイハラ対策は組織全体で取り組もう
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ペイハラ(ペイシェントハラスメント)とは?

ペイハラとは

ペイハラとは、患者やその家族が医療従事者に対して行う暴言・暴力・理不尽な要求などのハラスメント行為のことです。

「ペイシェント(Patient)」は英語で「患者」を意味します。つまりペイハラは、患者・その家族側から医療従事者へ向けられるハラスメントを指す言葉です。

ペイハラは単なるクレームとは異なり、暴行罪や傷害罪などの違法行為に該当するケースもあります。医療従事者の心身に深刻なダメージを与え、離職の原因にもなりかねない重大な問題です。

まずはペイハラの基本として、下記の2点を押さえておきましょう。

  1. カスハラとの違い
  2. ペイハラが深刻化している背景

カスハラとの違い

ペイハラとよく混同されるのが「カスハラ(カスタマーハラスメント)」です。

カスハラとは、顧客が企業や従業員に対して行う不当な要求や迷惑行為の総称です。ペイハラはカスハラの一種であり、医療現場に特化した概念といえます。

2つの違いを整理すると、下記のとおりです。

カスハラ ペイハラ
対象となる場所 あらゆる業種・業界 医療・介護現場
加害者 顧客全般 患者・その家族
被害者 従業員全般 医師・看護師などの医療従事者

ペイハラの特徴は、病気や不安を抱えた患者が相手であるという点です。感情的になりやすい状況が生まれやすく、一般的な職場よりもハラスメントが発生しやすい環境といえます。

ペイハラが深刻化している背景

ペイハラが増加している背景には、「医療はサービス業である」という患者側の意識の高まりがあります。思うような治療結果が得られなかった際に、不満が激しいクレームや暴言に発展するケースが増えています。

厚生労働省が2024年5月に公表した「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」によると、カスハラの相談があった企業の割合は医療・福祉業で53.9%と、調査業種のなかで最も高い水準でした。

医療現場は、あらゆる業種のなかでもとくにペイハラが起きやすい環境といえます。

組織全体での対策が急務です。

出典:厚生労働省|令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査報告書

ペイハラに該当する行為の種類

お手上げという看護師の画像

ペイハラに該当する行為は、大きく3つの種類に分けられます。

  1. 身体的暴力
  2. 暴言・脅迫・精神的攻撃
  3. 過剰要求・業務妨害

「これはペイハラなのか」と判断に迷う場面もあるかもしれません。

それぞれの特徴を正しく理解しておきましょう。

身体的暴力

身体的暴力とは、医療従事者の身体に直接危害を加える行為です。

殴る・蹴るといった直接的な暴力行為はもちろん、物を投げつける・器物を破壊するといった行為も該当します。

身体的暴力は、刑事事件に発展する可能性がある深刻な行為です。「患者だから仕方ない」と我慢せず、毅然とした対応が必要です。

暴言・脅迫・精神的攻撃

暴言・脅迫・精神的攻撃は、言葉や態度によって医療従事者の精神的な安全を脅かす行為です。

脅し文句や侮辱的な言葉が繰り返されるケース、長時間にわたって怒鳴り続ける・執拗に謝罪を要求するといった行為が該当します。

身体的な傷は残らなくても、精神的なダメージは深刻です。悪質なケースでは法的責任を問われる可能性もあります。

過剰要求・業務妨害

過剰要求・業務妨害とは、医療機関の対応範囲を超えた不当な要求や、業務の遂行を妨げる行為のことです。

診察順の繰り上げ要求・治療費の不払い・長時間の居座り・繰り返しの電話・SNSでの誹謗中傷などが該当します。

一見、暴力とは無縁に見えますが、医療業務を著しく妨害する点でペイハラとして認識することが重要です。対応に時間を取られると、他の患者への医療サービスにも影響が出ます。

ペイハラの具体的な事例

ペイハラの具体的な事例

ペイハラは、院内・院外を問わずさまざまな場面で発生します。

ここでは、医療現場で実際に起きやすい事例を院内・院外に分けて紹介します。自院で同様のケースが起きた際の対応を考えるきっかけにしてください。

院内での事例

院内でのペイハラは、外来・病棟・受付など、あらゆる場面で発生します。代表的な事例は下記のとおりです。

種類 事例
身体的暴力 待ち時間への不満から、対応した看護師に物を投げつけた
暴言・脅迫 診断結果に納得できず、医師に長時間怒鳴り続けた
過剰要求 「自分を最優先で診察しろ」と繰り返し要求した
金銭トラブル 治療方針への不満を理由に、治療費の支払いを拒否した

いずれも「患者だから許される」行為ではありません。組織として毅然と対応することが求められます。

院外での事例(SNS・ストーカーなど)

ペイハラは院内だけでなく、院外でも発生する点に注意が必要です。

治療内容への不満から、事実と異なる内容をSNSや口コミサイトに投稿するケースが増えています。医療機関の評判を著しく傷つけるだけでなく、担当した医師・スタッフ個人への誹謗中傷に発展するケースもあります。

また、特定のスタッフを狙った退勤後の待ち伏せや、自宅・連絡先を調べて繰り返し連絡してくるストーカー行為も報告されています。

院外での被害は、スタッフ個人が一人で対処しようとしがちです。院外での被害も組織として把握・対応できる体制を整えておくことが重要です。

ペイハラが起こる原因

ペイハラが起こる原因

ペイハラは、患者側だけに原因があるとは限りません。

医療機関側の対応や環境が、意図せずペイハラを引き起こすきっかけになることもあります。原因を正しく把握することが、効果的な対策への第一歩です。

  1. 患者・家族側の要因
  2. 医療機関側の要因

それぞれ見ていきましょう。

患者・家族側の要因

患者・家族側の主な要因は、医療への過度な期待です。

「必ず治してもらえる」という意識が強すぎると、思うような結果が得られなかった際に不満が爆発しやすくなります。また、病気やけがによる不安・苦痛・焦りといった心理的ストレスも、感情的な言動につながる要因のひとつです。

医療機関側の要因

医療機関側の主な要因は、長い待ち時間や説明不足です。

治療方針について十分な説明がなかったり、スタッフの言葉遣いが不適切だったりすると、患者の不信感や怒りを招きやすくなります。ただし、医療機関側に落ち度がない場合でもペイハラは発生します。原因が患者側にあるケースも多いため、過度に自責する必要はありません。

ペイハラへの対処法

ペイハラへの対処法

ペイハラが発生した際、対応を誤ると状況がさらに悪化するリスクがあります。

現場で慌てず動けるよう、対処法をあらかじめ把握しておくことが重要です。発生時に取るべき行動を順番に確認しておきましょう。

  1. 複数人で冷静・毅然と対応する
  2. 別室へ誘導し状況を落ち着かせる
  3. 記録・証拠を残す
  4. 上司・院内窓口へ報告する
  5. 警察・弁護士への相談が必要なケース

複数人で冷静・毅然と対応する

ペイハラが発生したら、まず一人で抱え込まないことが大切です。

複数人で対応することで、スタッフの安全を確保しながら状況を冷静に把握できます。不当な要求に対しては必要以上に下手に出ず、毅然とした態度で「対応できないこと」をはっきり伝えましょう。過度に謝罪すると、要求がエスカレートする恐れがあります。

別室へ誘導し状況を落ち着かせる

患者が興奮している場合は、他の患者から離れた別室へ誘導しましょう。

場所を変えることで患者が冷静になりやすくなる他、周囲の患者への影響も防ぐことができます。別室は、防犯カメラが設置されている部屋が望ましいです。また、花瓶など凶器になり得るものは置かないよう注意し、スタッフの避難経路も確保しておきましょう。

記録・証拠を残す

対応中・対応後は、できる限り早く記録を残しましょう。

発生日時・場所・具体的な言動・対応した職員名などを記録します。防犯カメラの映像やボイスレコーダーの音声は、後の対応で重要な証拠となります。記録は統一したフォーマットで残しておくと、組織として状況を把握しやすくなります。

上司・院内窓口へ報告する

ペイハラを受けたら、一人で解決しようとせず必ず上司や院内窓口へ報告しましょう。

報告することで組織として対応策を検討でき、同じスタッフが繰り返し被害を受ける状況を防ぐことができます。相談しやすい環境をつくるためにも、日頃から報告フローを整備しておくことが大切です。

警察・弁護士への相談が必要なケース

院内での対応だけでは解決が難しい場合は、外部機関への相談を検討しましょう。

目安として、下記のケースでは早めに警察や弁護士へ相談することをおすすめします。

相談先 該当するケース
警察 暴力行為・脅迫・ストーカー行為など、身の安全が脅かされる場合
弁護士 SNSでの誹謗中傷・治療費の不払い・法的手続きを検討する場合
日本医師会 院内で解決が難しく、専門的な助言が必要な場合(会員限定)

相談の際は、防犯カメラの録画映像や発生記録など、客観的な証拠をあらかじめ整理しておくことが重要です。証拠が揃っているほど、迅速な対応につながります。

「どこに相談すればよいかわからない」という場合は、まず院内の管理職や顧問弁護士へ状況を共有するところから始めましょう。

出典:日本医師会|日医ペイハラ・ネット相談窓口

組織で取り組むペイハラ対策

組織で取り組むペイハラ対策

ペイハラへの対応は、個人の判断に任せるのではなく、組織全体で取り組むことが重要です。

事前に体制を整えておくことで、被害を未然に防ぐだけでなく、万が一発生した際も冷静に対処できます。

  1. 対応方針をポスター・院内掲示で周知する
  2. 対応マニュアルを作成・全員で共有する
  3. 防犯カメラを設置して証拠映像を確保する
  4. 教育研修の内容と実施頻度

対応方針をポスター・院内掲示で周知する

院内の目につく場所に、ペイハラに対する病院の方針を掲示しましょう。

「暴言・暴力は警察に通報します」「悪質な行為に対しては診療をお断りする場合があります」といった内容を明示することで、ハラスメント行為への抑止力が期待できます。ホームページへの掲載も、対外的なメッセージとして有効です。

対応マニュアルを作成・全員で共有する

トラブル発生時に現場が迷わず動けるよう、対応マニュアルを整備しましょう。

マニュアルには、ペイハラの定義・対応手順・報告フロー・外部相談先などを盛り込みます。作成後は全スタッフが閲覧できる状態にし、途中から入職したスタッフにも漏れなく共有することが大切です。

防犯カメラを設置して証拠映像を確保する

防犯カメラの設置は、ペイハラ対策として非常に有効です。

録画映像は、警察や弁護士への相談時に客観的な証拠となります。また、「カメラで記録されている」という意識がハラスメント行為の抑止にもつながります。受付・待合室・廊下など、トラブルが発生しやすい場所への設置が効果的です。

昼夜問わず鮮明な映像を記録できるカメラを選ぶことが重要です。防犯カメラの導入を検討している医療機関は、ぜひアルコムにご相談ください。

教育研修で取り上げるべき内容

ペイハラ対策は、マニュアルを作成するだけでは不十分です。

研修では、下記の内容を取り上げることが効果的です。

  1. ペイハラの定義と該当する行為の種類
  2. 発生時の対応手順と報告フロー
  3. 記録の残し方と証拠保全の方法
  4. 過去に院内で起きた事例をもとにした対応練習

特に、実際の場面を想定した対応練習を取り入れることで、いざというときに慌てず行動できる力が身につきます。

研修の実施頻度と運用のポイント

研修は、少なくとも年1回以上の定期実施が望ましいです。

1回きりで終わらせず、継続的に実施することでスタッフ全員が同じ対応力を維持できます。また、途中から入職したスタッフにも漏れなく実施できるよう、研修のタイミングをあらかじめ決めておきましょう。

研修後は内容を記録として残し、マニュアルの見直しにも活用することで、対策の質を継続的に高められます。

ペイハラ被害を受けた職員へのサポート

ペイハラ被害を受けた職員へのサポート

ペイハラへの対策は、未然に防ぐことだけが目的ではありません。

被害を受けたスタッフへの適切なサポートも、組織として欠かせない取り組みです。被害後のケアが不十分だと、心身のダメージが深刻化し、離職につながるリスクがあります。

  1. メンタルケアと相談窓口の整備
  2. 休職・退職時の労務対応

メンタルケアと相談窓口の整備

ペイハラ被害を受けたスタッフは、強いストレスや無力感を抱えやすい状態にあります。

「自分の対応が悪かったのではないか」と自分を責めてしまうケースも少なくありません。被害後は速やかに上司や同僚が声をかけ、一人で抱え込ませない環境づくりが大切です。

また、院内に相談窓口を設置し、気軽に話せる体制を整えておきましょう。院内での解決が難しい場合は、日本看護協会が設置する「看護職のためのメンタルヘルス相談窓口」など、外部の相談窓口を案内することも有効です。

出典:日本看護協会|看護職のためのメンタルヘルス相談窓口

休職・退職時の労務対応

ペイハラ被害が原因で、休職や退職を検討するスタッフが出る場合もあります。

その際は、本人の意向を尊重しながら、労務上の手続きを丁重にサポートすることが大切です。ペイハラによる精神的ダメージは、労災認定の対象となる場合があります。必要に応じて、社会保険労務士や弁護士への相談を案内しましょう。

被害を受けたスタッフが「辞めるしかない」と追い詰められる前に、組織として早めに対応することが重要です。

まとめ|ペイハラ対策は組織全体で取り組もう

ペイハラは、医療従事者の心身に深刻なダメージを与え、離職や医療サービスの質低下にもつながる重大な問題です。

対策の基本は、「起きてから対応する」ではなく「起きる前に備える」姿勢です。院内掲示によるペイハラ方針の周知・対応マニュアルの整備・定期的な研修を組み合わせることで、組織全体の対応力を高められます。

なかでも防犯カメラの設置は、証拠映像の確保とハラスメント行為の抑止という2つの効果が期待できる、即効性の高い対策のひとつです。警察や弁護士への相談時にも、映像記録は大きな力を発揮します。

また、被害を受けたスタッフへのメンタルケアや労務対応も、組織として欠かせない取り組みです。現場のスタッフが安心して働ける環境を守ることが、質の高い医療の提供にもつながります。

防犯カメラの導入や設置場所についてお悩みの場合は、お気軽にarucomへご相談ください。

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この記事の制作者:アルコム 担当者T

株式会社アルコム:2003年設立の20年以上実績がある防犯カメラ専門店。福岡県内の警察署・交番300ヶ所以上に防犯カメラの設置や美術展示会などへの防犯カメラ提供の実績が多数。

担当のT:防犯カメラ業界に10年在籍しており、販売と提案実績も多数。防犯カメラに関するホワイトペーパー防犯カメラに関する記事などの制作も多数。

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